目標倒れに終わる人と目標達成できる人の差 達成できなかったとしても格好悪くはない

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しかし、新たな目標を達成したいときにはこの現状維持バイアスが、目標達成の行く手を阻む最大の敵になります。現状維持バイアスという壁を上手に乗り越えるためには、「目標を公言する」「仲間を作る」など、いくつかコツがあります。

もう1つ、お伝えしておきたいことがあります。

それは、目標は達成できなくても格好悪くないということです。 みなさんも、上場企業が業績予想を下方修正したという新聞記事を目にしたことがあるのではないでしょうか。そもそも「目標を立てて、計画を実行したら、すべてが予定どおり順調に達成できました」などと、簡単にいくことばかりではありません。高い目標であればなおさらです。

予定が狂ってしまった場合には、達成までの道のりを考え直して、計画を修正すればいいのですし、それでも達成が難しければ、目標自体を立て直せばいいのです。

『最高の結果を出す 目標達成の全技術』(日本実業出版社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

意外に思うかもしれませんが、高い目標を達成している人ほど、数多くの失敗をしています。昨年、新規上場を果たしたA社のK社長も、実は過去に2度上場に失敗していて、今回が3度目の挑戦でした。念願がかない、上場パーティーでは晴れやかなお顔をされていました。

また、ある上場企業の社長も、上場直後に98%減益という下方修正を発表して機関投資家から批判を浴びたそうですが、それもエネルギーに変えて業績はV字回復を果たし、さらなる高みへ成長を続けています。

このように達成上手な人たちは、失敗を恐れず高い目標を立ててストレッチゾーンで毎日を過ごしています。

そして、立てた目標に届かなかったときは、「何が悪かったのか?」「どうすれば今度は成功できるか?」を考えてすぐに再チャレンジをします。

目標は達成できなくても、いいことしかない

なぜ目標を立てたがらないかというと、目標を公言したら達成できないと恥ずかしいとか、格好悪いという見えや思い込みがあるからなのです。この見えが邪魔をして、現状維持バイアスの壁をなかなか越えられないのです。 新しい行動を決断するときにはストレスを感じて迷いますが、行動した後にその決断を後悔することは、ほとんどないはずです。

三谷 淳 未来創造弁護士法人 代表弁護士

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みたに じゅん / Jun Mitani

慶應義塾大学法学部法律学科出身。2000年弁護士登録後は横浜の大手法律事務所に勤め、数多くの裁判を手がける。このころ旧日本軍の爆雷国家賠償訴訟に勝訴し、数々のマスコミに取り上げられる。しかし、2006年に独立し三谷総合法律事務所(現・未来創造弁護士法人)を設立すると、裁判はたとえ勝訴しても、時間がかかり、依頼者に強いストレスをかけ、結果的におカネも回収できないケースが多いことに気づき、徹底的に交渉術や紛争予防法を研究する。1日5件、週に20件、年間1000件の交渉を実践し、「日本一裁判しない弁護士」と呼ばれるようになる。紛争の早期円満解決や予防は、トラブルを抱えるクライアントだけでなく、企業経営者からも絶大な支持を受け、現在では「経営を伸ばす顧問弁護士」として地域、業種を超えて全国各地の上場企業から社員数名の企業まで100社近くの顧問弁護士を務める。

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