第1回 ドイツはスポーツ天国か? それはあまりにも日常的!

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9万以上もあるスポーツクラブ

ドイツといえばサッカー。サッカーもスポーツクラブで行われている。

日本のスポーツ文化が「体育会系」だとすると、ドイツのスポーツ文化は何だろうか。それはスポーツクラブがベースになっている。

スポーツクラブといってもまず、この言葉の意味を説明しなければなるまい。というのも日独のイメージがけっこう異なるからだ。日本でスポーツクラブといえば最新の運動機器が並び、機器の上を走ったり、筋力トレーニングをするようなスポーツクラブを思い浮かべる人が多いのではないか。しかも運営体は私企業で、利用者はその運営会社にお金を支払う。つまり営利事業だ。

これはドイツのスポーツクラブと全く違う。

ドイツのスポーツクラブは「フェライン」と呼ばれる法人だ。古くから「協会」「クラブ」といった定訳がある。しかし今日の日本の状況を鑑みるとNPO(特定非営利活動法人)と考えたほうが理解しやすいだろう(しかし本稿では比較的馴染みのある「スポーツクラブ」で通す)。組織形態からして、日本で想像されるスポーツクラブとは異なることがわかるだろう。また、60種目以上の競技がスポーツクラブで行われているほか、ひとつのスポーツクラブで複数の競技を行なっているところも多い。

いずれにしても、その数が半端ではない。ドイツ全国でスポーツクラブは9万件以上(2012年)ある。日本のNPO自体4万5000件程度(2011年)。日本でNPO関連の法律ができたのは1998年だが、ドイツの場合それ以上に、長い長い歴史と文化があるので、数の多い少ないについての単純な比較評価はできない。それにしても、スポーツクラブ(NPO)だけで日本のNPOの倍程度あるのだ。

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