原宿から生まれたフランス人インスタグラマー 無名の女の子が日本でフォロワー1万人超に

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「学校には行ってないんです。どうしても日本語わかりたい、話したいと思って、それで勉強始めて。高校生のとき、自分で本を買って頑張った。単語を書いたノートも、毎日ずっと見てた。洗い物したり、テレビとか見てても、単語を覚えるようにしてた。トイレのドアにも、ベットの上にも単語を貼ってたね」

――自分で頑張ったんですね。

そうそう。ネットでドラマを見たりして勉強した。『花より男子』とか『きみはペット』、あとなんだったっけ、『野ブタ。をプロデュース』。それが一番最初だったかな。叔母さんは、私と一緒にドラマはまっちゃった。

――え、日本のドラマ?

そう、『花より男子』とか。私が最初1人で1回見て、叔母さんに見せてあげて。そしたら大好きになって、5、6回見てた、1人で。私は飽きちゃってた、逆に(笑)。

――叔母さんは、日本語わかるの?

ううん、最初、私もわからなかった。(画面の)下の……なんていうの?

――字幕?

そう字幕、フランス語ついてるの見つけられる。ネットで。それで一緒に見てた。

マチルダさんの日本語は、日本人が日常的に使う話し言葉だ。それはきっと、ドラマで耳から学んだからだろう。

人目を引くファッションをし始めたのは中学生のとき

フォークとナイフで少しずつワッフルを食べながら僕の質問に答える彼女は、カフェの中で引き続き注目の的だ。隣席のアジア人の男が、好奇心を隠す様子もなく、しげしげと見つめている。彼女は気にする様子もないけど、僕は気になる。

ただそこにいるだけで人目を引く彼女のファッションは、中学生のとき、ネットで見た原宿の情報や『NANA』『Paradise Kiss』などマンガの影響で始まった。「今より太ってて、自分の体がコンプレックスだった」そうで、当時は暗い色のゴスロリ系の服を着ていた。

少しずつ服を買いそろえて、高校生のときには毎日のように髪にカラフルなウィッグをつけ、ゴスロリファッションで学校に通った。服装やメイクが理由で叔父とケンカしたこともあったけど、やめようと思ったことはない。そこには趣味以上の理由があったようだ。

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