アジア狙う謎の日本ブランド「ユビソオ」の正体 パクリのパクリ?がマレーシアで急拡大

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ダイソーを運営する大創産業本社の法務担当者は「ユビソオは、無印良品とユニクロ、ダイソーを足して3で割ったような、3つを融合したようなコンセプトであって、直ちに商標権を侵害しているとは言えない。ダイソーという商品名を使っているわけでもない。売り場が似たような形態になっているものの、日本人から見れば、ダイソーとは違うことがわかる」と話す。

ただ、「ダイソーを知らないマレーシア人が誤認したり、誤解を招いたりする恐れがある。もし商品に問題があった場合、われわれの商品のブランド価値が低下する懸念がある」と述べ、ユビソオの動向を注視していることを明らかにした。

「グレーゾーン」で勝負しており訴訟は困難

そのうえで、「シンプルさや品ぞろえの豊富さといったユニクロや無印良品、ダイソーの3社のいいところを取った、こうした形態の店舗が今後も増殖していく可能性がある。ユビソオはうまく隙間を突いており、グレー、微妙なところで勝負している。われわれ日本企業としては、(問題があった場合)消費者に申し訳ない。ただ、われわれが製品を作っているわけではないので、それについて、どうこう言いにくい」と対応の難しさを訴える。

この担当者は、ユニクロと無印良品、ダイソーの3社連合で裁判をするのがベストだと言いつつも、今のところは訴訟に向けた具体的な動きはないと語った。

一方、無印良品を運営する良品計画は「ユビソオについてはコメントさせていただくことはとくにない」としながらも、「商標権侵害やコピー商品など知的財産権への侵害が認められる場合、国内外の法律事務所などと連携しながら厳しく対応する」としている。ユニクロを運営するファーストリテイリングも「とくにコメントすることはない」と回答した。

ダイソーの法務担当者が言うように、こうした企業はグレーゾーンで勝負しており、訴訟に持ち込むことは容易でない。ユビソオは、日本的なイメージを前面に押し出しているものの、中国製なのに日本製と虚偽の記載を行っているわけではない。商標権や知的財産権に詳しい弁護士は「明確な商標権の侵害などがない限り、(ダイソーなどを)模倣した経営形態の企業を訴えるのは難しい」と指摘する。

韓国のイメージを前面に出した雑貨小売りチェーン「MUMUSO(ムムソウ)」は昨年、ベトナムで消費者に韓国製と誤解される不正確で誤った商品情報を提供する違法行為を働いたとして、ベトナム産業貿易省から罰金を科された。

次ページ罰金を科された理由とは?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事