大人がこぞってハマる最新恐竜学の「新常識」 始祖鳥は実は大空を飛び回らなかったかも
かつての恐竜少年、少女が衝撃を受ける新常識
――先生は日本各地で恐竜について講演されていますが、その際どんな質問をされることが多いですか?
かつての恐竜少年、恐竜少女が大人になって、自分たちが子どもの頃接していた恐竜についての知識とは違っていることに一様に衝撃を受けるようです。例えば一番人気のティラノサウルスについては、「えっ、羽毛が生えていたんですか? 雰囲気ガラッと変わりましたよね」というように。
でも、大人も子どもも恐竜の話への食いつきがよく、身を乗り出して聞いてくれる。日本人は恐竜好きが本当に多く、「恐竜関心大国」だと思います。
――自分も親世代の一人として、かつて子ども時代に見た恐竜の姿とだいぶ変わっていているなと思いました。恐竜学はどのようにしてアップデートされてきたのでしょうか?
そうですね、「恐竜」という名前が命名されたのは1842年でした。1969年に小型肉食恐竜デイノニクス(「恐ろしい爪」という意味)についての研究が、「恐竜ルネサンス」としてのターニングポイントとなりました。
これ以降、「恐竜=のろのろと動く鈍重な生き物」というイメージから、活発に動く恐竜もいて、一部は恒温動物になっていたという「恐竜温血説」や、一部は鳥類に進化したとする「鳥類の恐竜起源説」が唱えられるようになりました。
――恐竜は爬虫類の一種であり、トカゲやヘビと同じ変温動物だと思う人がいまだに多いのではと思いますが、体温をある程度一定に保てる恒温動物になっていたかもしれないわけですね。私たち哺乳類と同じ恒温動物だというと親しみも湧きますが、恒温動物になれたのはどうしてでしょうか?
1996年に中国・遼寧省で最初の「羽毛恐竜」シノサウロプテリクスが発見されます。その後も中国で続々と「羽毛恐竜」が発見され、恐竜が羽毛をもっていたことは確かな状況となりました。ティラノサウルスなどの獣脚類の仲間から鳥に進化していくものが現れたというシナリオも確実視されるようになっています。現在の鳥も哺乳類と同じく恒温動物ですよね。
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