大人がこぞってハマる最新恐竜学の「新常識」 始祖鳥は実は大空を飛び回らなかったかも
羽毛をもつと、夜でも体温がそんなに下がらずにすみ、体温をある程度一定に保てることで活動時間も長くなりました。こうして「羽毛恐竜」は生物界で個体数を増やし、シェアを広げていったと考えられます。また羽毛は他にも、仲間の判別や求愛行動、抱卵(卵をあたためる)にも役立ったとみられています。
恐竜が羽毛をいつから獲得したのかという説には、いくつかありますが、ジュラ紀中期(約1億7000万年前)以降に獲得していたことは確かで、もっと前の三畳紀後期(約2億2500万年前)、恐竜誕生初期に獲得していただろうという説もあります。
二足歩行という「ブレイクスルー」
――いわば「羽毛革命」が、恐竜を恒温動物に、そして鳥にまで進化させたといえるわけですね。
それだけではありません。羽毛をもつ前に、恐竜にとっての大きなブレイクスルーは、二足歩行が可能になったという点です。トカゲやワニといった爬虫類のあしのつき方と恐竜のあしのつき方には決定的な違いがあります。
トカゲやワニは胴体から横にあしが出ており、そこから膝が90度近く下に折れ曲がっています。いわば、がに股と腕立て姿勢で這うようにして歩きます。一方で恐竜のあしは、胴体からまっすぐ下に伸びて直立しています。
これは、骨盤の股関節にぽっかり丸く穴が開き、そこにあしの骨がしっかりはまっているおかげです。二足歩行ではスピーディーに獲物に追いついたり、敵から逃げることが可能になったと考えられます。こうしたあしのつき方は、もちろん鳥にも受け継がれています。
――二足歩行を可能にした骨格上の特徴が恐竜にはあるわけですね。でも、有名な植物食恐竜のトリケラトプスやステゴサウルス、ブラキオサウルスは四足歩行とされていますが……。
これらの恐竜は二足歩行から四足歩行に戻った、つまり先祖返りした種類です。恐竜に進化した後で、四足歩行の方がより都合がいいからそうなったと考えられます。初期の角竜のプシッタコサウルスは二足歩行でしたが、トリケラトプスなどに巨大化していくなかで四足歩行の方が体重を支えやすかったと思われます。
ブラキオサウルスやディプロドクスなどの巨大化した竜脚類は、40トン以上にもなる体重があったため、体を支えるのに四足歩行は必須だったでしょう。
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