ママは見た!男女7人「スナックお見合い」物語 スナックは男女の出会いの場となるか

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入店後、男女交互でカウンターに着席。まずはお酒で乾杯する。隣り合う男女は、自己紹介を交えながら形式的に話をするも、「〇〇さん、緊張しているときはお酒飲んでリラックスしなさいよ。普段の自分を早く出したほうがいいよ」「お話ししているときは手元見るんじゃなくて相手の顔見たほうが盛り上がるわよ~」など、ママやマスターからの絶妙な合いの手により、徐々に場の雰囲気はほぐれていった。

宴も酣(たけなわ)となった頃、「さあ、そろそ

恋愛の達人、薫子ママがいろいろとアドバイス(筆者撮影)

ろスナックならではのお楽しみ “カラオケタイム”にしましょう!」とママが声をかける。そうはいっても、開始からまだ30分ほど。この状況で、積極的に歌ってくれる人はいるのだろうか。

「口では無理って言いながらばっちり歌い上げる人もいれば、プレッシャーで不機嫌になる人もいるわよね。だから、会話を一緒に楽しませてもらいながら、誰がトップバッターに適しているか、盛り上がる曲は何かなどを考えているわ」と薫子ママ。確かに、最初に指名された男性は、イントロ中「無理」を連発しているのだが、みんなの手拍子とママの盛り上げに、サビでは熱唱していた。周りの人々も、同調してノリノリになっている。

結婚4回、離婚4回のママのアドバイス

カラオケが得意でないというハセソウさん(男性)は、「普段だったら絶対に歌わないんです。ただ今日は、お酒の力やママやみなさんの盛り上げによって、気持ちよく歌うことができました」とのこと。その後もママやマスターのサポートによって、男女でデュエットしたり、女性同士で歌ったりなど、全員が一体感の中でカラオケに参加。前半の1時間を経過した段階で、明らかに場の空気感は変化していた。また参加者の表情も、見るからにほぐれていた。

デュエットで盛り上がる(筆者撮影)

続いて、男女1対1のコミュニケーションタイムへ。もともと薫子ママは、「趣味は結婚、特技は離婚」と豪語しているように、結婚4回、離婚4回という経験の持ち主だ。類まれな人生経験と磨き抜かれた感覚をもとに、テキパキと男女を指名。指名された2人が向かい合って会話を楽しむ。状況に応じてマスターがサポートする予定だったが、いずれの組も、最初の緊張はどこへやら。リラックスした表情で会話を楽しんでいる。

参加者が7人ということで、会話を楽しむ3組の男女のほか、男性1人はママによるカウンセリングを受ける。「普段はどんな恋愛してるの?」「どの子が気になるの?」など、ストレートなママの質問に、最初は照れながらも、真剣に回答していた。

「最近の男子って、女子にリードしてほしい、引っ張ってほしいと思っている人が多いわよね。だから、アピールするべき点や、気になる子へのアプローチ方法など、きっかけづくりについてアドバイスしているの。そういうお節介が私の役目ね」(薫子ママ)

女性ならではの目線だけでなく、数多くのカップルを生み出してきたママのアドバイスは、実践的かつ的確である。その具体的なアドバイスは、“お節介”という枠を超えて、積極的にアプローチできない男性らの背中をしっかりと押していた。

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