「お金をかけずに遊ぶ」スウェーデン人の休み方 働き方を変えるには、まず休み方から

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そんなことを5年ほど続けていたときに、ストレスもマックスになり、ほんのちょっと人と肩が当たっただけで、泣き出しそうな精神状態になってしまいました。そのストレスは体にも出てきました。医者からは顎がんかもしれないと言われ、大学病院に送られるほどになったところで、娘の勧めで西表島に3泊4日の一人旅に出かけたのです。

普段は仕事に穴を開けたら迷惑をかけるからということで、危険なこと、危険な要素を含むことなどに異常に気を使っていました。ですが、西表島でいろいろなスポーツアクティビティーをこなし、大声を出すことで、ストレス発散した結果、口の中の腫れ物もあっという間になくなり、会社のスタッフからは「ビューエルさんまるで別人みたい」と言われるほど精神状態も改善しました。

リフレッシュしてきた社員のパフォーマンスは上がる

そのときから、定期的に休みを取ることにしました。会社の机にあるカレンダーはつねにスタッフに公開されているのですが、私に同席してもらいたい商談があるとスタッフがどんどん予定を書き込んでしまうため、私の生活はそのカレンダーに支配されていました。

そこで、カレンダーがまだ白いうちに前もって休みを決めてしまい、商談などを入れられないようにしたのです。その結果、年に2度ほど1週間から10日くらいのお休みが取れるようになり、ガス抜きも上手にできるようになりました。

自分自身への効果を実感した私は、スタッフにも有休を取りやすい状態にしたいと思い、有給休暇は入社順だとか、上長の次だとかという暗黙の了解の中での遠慮を排除し、早く申請した者順に変更しました。会社側にとっても、早い段階で誰がいつ休みを取るのかが明確になり、その人とかぶらないようにほかの人が休みを取っていくので、業務の調整が楽になりましたし、リフレッシュしてきた社員のパフォーマンスが上がるのも感じました。

『fika 世界一幸せな北欧の休み方・働き方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

また子どもの授業参観や家庭訪問、通院など、1日の休みは必要ないけれど、数時間の休みを取りたいというニーズがあるだろうと思い、有休は1時間から取れるように設定しました。その結果、休みを気楽に取れるようになったと社員からは喜ばれています。

もちろん、会社が制度などを変えない限り、こうした取り組みは難しいかもしれません。しかし、個人レベルで考えた場合、せっかくの休みはしっかりと取るべきだと思います。もちろん旅行に行くのも1つの過ごし方ですが、スウェーデン人のようにお弁当を作って、近くの公園で運動したり、くつろいだりすることで、休みに対する新たな「発見」があるかもしれません。

芳子 ビューエル アルトスター代表取締役、北欧流ワークライフデザイナー

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よしこ びゅーえる / Yoshiko Buell

アルトスター代表取締役、 アイデン代表取締役。ウェルビーイングアドバイザー、北欧流ワークライフデザイナー。1989年に創業したアペックスでは、働きながら子育てができる環境を整えることを推進。自身も3人の子供を育てながらM&Aも実現し、2020年の退任時点で、年商約44億円の企業に成長させた。

一方で1998年にJERTOから派遣されて以来北欧とゆかりが深く、デンマークのライフスタイル「ヒュッゲ」をいち早く日本に紹介。テレビや雑誌等でも、ヒュッゲの第一人者として日本での取り入れ方を紹介しているほか、「ウェルビーイングアドバイザー」としての活動も行う。

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