「お金をかけずに遊ぶ」スウェーデン人の休み方 働き方を変えるには、まず休み方から

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一方、スウェーデンの短い夏は日照時間が長く、比較的涼しいという特徴があり、夏はアウトドアライフを満喫するというのが定番です。自然が豊かなスウェーデンでは、サイクリング、ピクニック、キャンピング、ジョギングと、家の外にはたくさんの「すること」があります。日本ほど蒸し暑くないため、屋外で太陽の光をたくさん浴びて、気持ちのよい時間を満喫するのです。

スウェーデンの消費税は25%なので、日本人よりも外食や買い物に対して慎重です。自家製のものを持って出かけ、ランチやピクニックなど屋外で楽しむ人々をよく見かけます。首都ストックホルムに住んでいたとしても、緑が多く、お金を使わなくても、アウトドアアクティビティーに事欠くことはありません。

スウェーデンは年間33日の休みを取る

ピクニックも、近くの公園の中で、みんな水着になって、日光浴をしながらのゆったりとした時間です。太陽の光を思い切り浴びて、芝生の心地よさを体で感じ、短い夏を楽しむのです。時間がゆったりと流れていくピクニックはとても魅力的で、お金もかかりません。

以前私の会社では、スウェーデンのミニログハウスを輸入していたことがあります。ログハウスといえば、普通とても大きな丸太を使ったものを想像すると思いますが、スウェーデンでは小さな角ログを使ったログハウスも人気。大きさとしては6畳くらいの大きさから20畳くらいのものまでありました。

郊外にこういう小さなログハウスを持ち、週末や長期のお休みが取れたときに、そこで自然を満喫するという人々もいます。夏であれば、ベリーピッキングをしたり、湖畔で泳いだり、バーベキューをしたり……。ミニログハウスには必要最低限のものしかありませんが、夜も快適に過ごせます。スウェーデン王室のビクトリア王妃も、ご自身のサマーハウスの裏庭にミニログの家を建てて、子どもたちと遊ぶ様子が王室のビデオにも紹介されています。

一般的なスウェーデン人は1年に33日間の休暇を取るといわれています。これはヨーロッパの中でもトップクラスです。しかも残業をする人口はわずか1%ということです。休みをしっかりと取り、定期的な運動をし、仕事を効率的にこなすスウェーデン人の暮らし方はとても魅力的です。

それでは日本ではどのようにそれを取り入れたらよいでしょうか。筆者自身は経営者という立場から、つねに仕事を優先した生活をしていました。会社は24時間のテレビショッピングの普及とともに業績を伸ばし、どんどん大きくなっていきました。海外で商品を調達するうえで、自身で商談、通訳もこなし、会社では経営者としての業務に追われ、テレビショッピングにまで出演して商品を自ら販売するという、普通では考えられない仕事量をこなしていました。

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