今秋、iPhoneは新「iOS 13」でさらに賢くなる

機械学習が進化して「写真アプリ」が便利に

昨年Siriショートカットと呼ばれる、よく使うアプリの操作を検出して簡単に声で呼び出せるようにする仕組みを盛り込んだが、今度は複数のアプリにまたがる操作を検出するという。その人のクセを見つけて、操作をまとめて、Siriから声で1度に済ませる、そんな使い方が期待できる。

またAirPodsを使っている場合、新着メッセージが届いたら読み上げる機能が追加された。しかも、読み上げ終わったときに返事の内容をしゃべれば、返信を済ませておいてくれる仕組みまで備えている。LINEの上で行われるテキストチャットを声だけでこなすことも、夢ではないだろう。

その読み上げにも使われるSiriの声は新しいNeural TTS(Text to Speech)エンジンが採用され、より自然な発音が聞けるようになる。

ARはいよいよ普及期になるか

iOS 13で進化を遂げた機能に、AR(拡張現実)がある。2017年に初めてARKitを用意し、iPhone 6s以降という幅広いデバイス対応で、世界最大級のARプラットフォームであると宣言した。

2018年にはARKit 2.0をリリースし、拡張空間の保存や共有への対応をしたり、光源や環境に応じた反射の自動生成を行うなど、ARで作られるグラフィックスの質を大幅に高めることができた。

アップルは今回のWWDCで、最上位に君臨するモンスター級の処理能力を誇るMac Proを発表したが、iPhoneのカメラを使って自分の部屋にMac Proを配置できるデータをウェブサイトで配布した。実際に試してみると、実物がそこにあるかのようなリアルさを追求する質感で、カメラを通さずに見てそこに実物がないことが不思議に思えるほどだった。

物体の光の反射や影、映り込みを考慮したARの物体を、専用のアプリもなく楽しめることこそ、ARKit 2.0の実力なのだ。

ARKit 3.0のデモンストレーション(筆者撮影)

3年目となる2019年にリリースしたARKit 3.0は、シンプルに人にフォーカスし、拡張空間の中で人を認識して物体の並び順を考慮した表示を行ったり、人の動きやポーズを正確に認識する機能が追加された。

これによって、例えば巨大なレゴのお城をARで作った際、人がその中を歩き回れるより高い没入感のある体験を実現できるようになった。

少しずつでも、人々の経験が積み重なっていくことは、新しいメディアや体験の普及にとって非常に重要なことだ。

アップルは図らずも、自社の新製品のプロモーションで、人々にAR体験の面白さを雄弁に語り、また開発者に対してはAR活用のアイデアを与えることとなった。

同時に、デザイナーでなくてもAR空間を作れるソフトウェアReality Composerを提供することで、「ARの民主化」を推し進め、あらゆる開発者にARが関係していることを改めてアピールした。

iOS 13向けアプリ開発におけるもう1つのインパクトは、開発者がアプリ開発に用いるXcodeに、新たに「SwiftUI」という画面デザインを行うための開発者環境が追加された点だ。

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