あのスシローが手がける「すし居酒屋」の正体 「飲めるサーモン」など不思議メニューが続々

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「回転ずし事業は順調に推移している。ただ、(従来の)ロードサイドを攻めるだけでは成長に限りがある。高い成長性を維持するためにも、都心や繁華街に目をつけて新しいことにチャレンジしていかなくてはならない」。金井氏は杉玉を展開する狙いについてそう語る。

綱島駅近くにオープンした店舗の壁面には、海鮮系の居酒屋らしいデザインが施されていた(撮影:大澤誠)

今回の杉玉で7店舗目の出店となるわけだが、1店舗目は2017年8月に兵庫・西宮市に、2店舗目を2018年1月に東京・神保町に出店。その後、2018年3月に東京・神楽坂で3店舗目をオープンしたが、マスコミへのお披露目は3号店のオープン時が最初で、1号店が開店して約半年間は、あえてスシローの社名を明かさずに営業を続けた。

「最初から大々的に発表してしまうと、純粋な店の評価がわからない。まずは自力でやって、チェーン展開としての土台をつくることが重要だと考えた」(金井氏)

食材調達でスシローの強みを生かす

開店以降、商品のブラッシュアップなどを進め、前述の西宮、神保町、神楽坂の3店舗については、2018年9月期下期の平均月商が640万円だったのが、2019年9月期の上期には750万円に上昇。4号店以降も、高い水準の売り上げを達成しているという。

中央の奥にあるのが、杉玉の人気商品1つ「杉玉ポテトサラダ」(撮影:大澤誠)

スシローの名前は出さずに運営する杉玉だが、食材調達ではスシローグループである強みを存分に発揮している。回転ずしのスシローは日本各地で500店以上を展開することから、日々さまざまな取引先から各種各様な魚介類を仕入れている。ただ。その中で500店という規模で取り扱うには数や量が足りないといった食材も出てくることから、そのような食材を杉玉で使用する。杉玉で提供するまぐろの中落ちを使った「天然本まぐろ中落ち手巻き」はその1つだ。

また、チェーン店ながら杉玉では店舗ごとにその地域の地酒を提供するなど、細かいところで独自色を打ち出している。「別々の杉玉の店舗に行ったとしたら、いい意味で違いを感じることができるだろう」(金井氏)。

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