あのスシローが手がける「すし居酒屋」の正体 「飲めるサーモン」など不思議メニューが続々

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実はスシローは過去に何度か新業態にチャレンジしている。直近の代表例の1つが2015年に東京・中目黒にオープンしたすしダイニング「ツマミグイ」という店舗。回転ずしのような回転レーンはなく、すしやつまみ、アルコールなどを充実させた都市型業態だった。その後、2号店を赤坂見附に、3号店を新橋に出店した。

だが、2016年6月までに全店を閉店した。スシローグローバルホールディングスの水留浩一社長は以前、「ツマミグイはそれなりに利益も出ていたが、数百店という出店には向いていなかった」と語っていた。

金井氏は「ツマミグイでやってきたこと、(新しいことにチャレンジをする)これまでの流れを変える必要はない」と強調する。ツマミグイの運営を通じて得ることができたノウハウや反省点をベースに、今後、杉玉は出店拡大に向け一気にアクセルを踏む構えだ。

3年間で50程度の出店を目指す

杉玉については、2018年11月に公表した中期経営計画の中で、2019年9月期~2021年9月期までの3カ年で直営・FCを合わせて50程度の出店を見込む。現在出店している7店舗はすべて直営だが、2020年9月期からFCでの展開も本格化する見通しだ。

新業態を手がけるスシロークリエイティブダイニング社長の金井智秀氏(撮影:大澤誠)

さらに、スシローグループとしては杉玉に次ぐ新たな業態の開発を早くも進めている。どのような業態かは現時点で明らかになっていない。ただ、金井氏は「杉玉のようにスシローの基盤を生かすことができる業態をイメージしている」と話しており、魚介類をメインとした飲食店が誕生する可能性が高い。

回転ずしが好調に推移するスシローグローバルホールディングスだが、余裕がある今だからこそ新業態に挑戦することは同社の成長にとって極めて重要だ。回転ずしの調子がいいとはいえ、この状況が長く続くとは限らない。杉玉という“第2の柱”を確立できるかが、ホールディングスとしての成長を見極める1つの試金石となりそうだ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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