ユニクロで外国人幹部の登用が相次ぐワケ FOREVER21、GAPから次々にヘッドハント

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こうした人事の刷新は、ユニクロの米国事業が大きく変わろうとしている証左だ。2005年に米国市場に進出したが、広告塔の役割を担うニューヨークなどの大型旗艦店の賃料負担が重く、これまで10年近くにわたって赤字を脱したことがない。それゆえ、店舗網の拡大にも二の足を踏んできた。

だが最近になって、米国内での認知度向上につれて、既存店舗の売上高が前年を上回り始めた。店長候補となる現地人材の育成も進んできた。ニューヨークの既存3店舗が2ケタ増収と回復しているほか、新店も店舗段階で利益を出している。こうした状況を鑑み、「収益を上げられる郊外ショッピングモール向けの500~600坪の標準店を出店できる段階にきた」(ファーストリテイリング広報)と判断した。

拡大路線の出足は順調

西海岸1号店となるサンフランシスコ店

米国ユニクロは、2013年9月からの1年間で15店舗の出店を予定している。同年8月末時点の店舗数は7店なので、わずか1年でおよそ3倍の22店舗まで急増させる拡大路線に舵を切ったわけだ。

2014年前半はさらにペンシルベニア州やコネチカット州などに5店舗を出店、同年後半にはボストンやロサンゼルスへの進出を予定する。来期以降も年間20店前後の出店ペースを維持し、早期に100店舗突破を目指す構えだ。2013年9~11月期の決算説明会で、岡崎CFOは「ラリー・マイアーの指揮のもと、マーケティング、新規出店、MDなどが改善し、業績は軌道に乗ってきている」と、米国事業の改善に自信をのぞかせた。

ただ、課題も残る。大量出店によって初期費用がかさむため、単年度での黒字化は「翌2014年度以降になる見通し」(岡崎CFO)。また、店舗人員の確保や育成も、これまで以上に急務となっている。拡大路線に踏み切ることでユニクロの米国事業を軌道に乗せられるか。マイアー新CEOの手綱さばきが試される。

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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