一審判決は「完敗」 どうする、ユニクロ

振り上げた拳をどのように降ろすかが問われている

ユニクロ側が完敗といっていい判決内容だった。ファーストリテイリングと子会社のユニクロが、名誉毀損で文藝春秋を訴えていた裁判で、東京地裁は10月18日、原告側の請求をすべて退けた。

問題となったのは、『週刊文春』が2010年5月に「ユニクロ中国『秘密工場』に潜入した!」の見出しで掲載した記事と、この記事を執筆したジャーナリストの横田増生氏が文藝春秋から11年3月に刊行した『ユニクロ帝国の光と影』。これらの記事における記述内容によって名誉を傷つけたとして、ユニクロ側は2億2000万円の損害賠償、取り消し広告掲載、本の回収などを求めていた。

そのうち国内の労働環境について争点となった記述は、事実上1カ所のみ。現役店長の発言だ。

「11月や12月の繁忙期になると、月(間労働時間が)300時間を超えています。そんな時は、タイムカードを先に押して、いったん退社したことにしてから働いています。本部ですか? 薄々は知っているんじゃないですか」

名誉毀損訴訟では、真実であるとまでは認定できないが、十分な取材を尽くしたかどうか、書き手がそう判断する相当の理由があるかどうか、という「真実相当性」の有無が最大の争点となることが多い。それだけ「真実である」と断定するのは難しいのだ。

ところが、今回の地裁判決では、この店長の話は信用性が高いとするなど、「重要な部分が真実」と認定した。つまり、文藝春秋側の完勝といえる。また、中国の工場での劣悪な労働環境を指摘した部分についても、真実相当性があると判断した。

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