「代替わり」こそ衰退産業を復活させる好機だ

京都市にある「街のお米屋さん」の超復活劇

まず事業承継は、事業を展開し成長させるチャンスです。新しく事業を承継する人には「ビギナーズ・マインド」があり、新鮮な気持ちで事業にある「価値」を見出して、再興することができるからです。

そして次世代に引き継ぐべき「価値」がある事業が承継され、イノベーションを起こしてさらに事業としての価値を高めれば、「増価主義」が実現します。

「地産地消」「地産外商」から「地産外招」へ

さらに「地産外招」ですが、これは私が事例研究から導いた新しいコンセプトです。少子高齢化で人口減少がすすむ地方では、「地産地消」だけでは成り立ちません。

そこでローカルな商品を外に販売する「地産外商」が重要になりますが、それをさらに進めた「地産外招」は「ローカルの強みを磨き上げ、外から人を招くことができる独創的な価値がある財・サービスを創出する」という概念です。

1990年代のバブル経済崩壊後、「失われた〇〇年」という言い方をしますが、昭和時代の高度成長期やバブル経済時のような「大量生産・大量消費を前提とした、経済至上主義」はすでに終わっています。

『衰退産業でも稼げます 「代替わりイノベーション」のセオリー』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

事業承継によってイノベーションを果たした事例を研究すると、今までの「エコノミック・アニマル」とは違う、新しい価値観やしなやかな感性を持つ経営者が育っており、「成熟化した文化大国としての日本」が生まれてきていることが見えてきます。

起業を考えている人、事業を継ぐか迷っている人、地方移住を考えている人、地域活性化に取り組んでいる人、そしてイノベーションを起こして日本を再生したいと願う人、そうしたすべての人に、『衰退産業でも稼げます』でご紹介した事例研究が役に立てば、私にとってこのうえない喜びです。

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銀行 地殻変動<br>先で待つ「不良債権地獄」の恐怖

コロナ危機を受け、銀行は政府の支援の下、積極的に「傘」を差し出し、融資をしています。しかし融資先には「危ない企業」も含まれ、下手をすれば不良債権によって屋台骨を揺るがしかねません。自ら大きく変わり始めた銀行の近未来を占います。