真っ白な中高生を蝕むネットの激しすぎる主張 オウム真理教を面白がる子どもの危険な実態

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昔もオウム真理教の歌などは、子どもに面白がられていましたから、何か惹きつけるものがあるのでしょう。しかし、現在、ネット上の情報のなかには、当時のオウム報道では決して触れることのできない、オウム関連のアングラな情報がたくさんあります。

それらをアングラなものとして認識せず、無邪気に受け入れる子どもたちの様子はとても気になりました。私たちの場合、ネットの情報はアングラなものとして受け入れる心構えがあったと思うのですが、今の子どもたちにはそうした様子が見られないわけです。

そのため、ネット上の情報を思った以上に無邪気に信じることがあります。

平然と人種差別的な議論をする中学生

平然と人種差別的な議論を展開する中学生の姿は、今でも強く脳裏に残っています。無事に受験も終わり、あと塾に通うのは数回といったときだったので、高校生活を送るうえで知ってほしいことを、さりげなく雑談のなかで織り交ぜたり、高校生活を送るうえでの質問を受け付けたりしていたため、いつもより雑談の時間が長くなっていました。

「なんで韓国人は頭おかしいんですか?」

ある生徒から、こんな質問が突然飛んできたこともあります。

個別指導塾という形態も相まって、私は子どもたちから政治に関する質問を受けやすい特異な立場にいるのでしょう。しかし、こうした明らかな人種差別的な言葉を発した生徒は初めてでした。

「なんで頭がおかしいと思うの?」と、私は逆質問してみました。

その生徒は、人種差別をしているという意識がないのか、何ら悪びれもなく理由を述べます。「韓国人って、うんこを食うんですよね(笑)」とか「だってキチ〇イじゃないですか」といった具合です。ほかの生徒が、オウム真理教のアニメや音楽がクラスで流行していると、屈託のない笑顔で話すのと何ら変わらない様子です。

韓国人がうんこを食うという言葉は、おそらくネトウヨと呼ばれる人たちが盛んに取り上げる「トンスル」からきていると思われます。トンスルとは人糞酒のことのようです。実在したのかどうかわかりませんが、それが今でも韓国人の間で広く飲まれているかのようなデマが広がり、それをこの生徒も目にしたのでしょう。

授業が終わったあと、私は心配になって、その生徒のTwitterアカウントを探してみました。一部の生徒は学習塾のTwitterをフォローしていますので、そこからたどることで難なく見つけることができました。

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