「英語が自然にできる子」の親がしていたしつけ

押しつけではなく、共有型の学びが大事

前述の3歳まで英語で育てられた男の子は強制型しつけを受けていたと言えます。日本語の環境で生活しながら、親の言葉(英語)を押し付けられて、子どもの意向を引き出さずにいたので、英語どころか母語である言葉が育たなかったということです。

「早期教育が大切」といくつもの習い事に子どもを引っ張り回したり、フラッシュカードなどで英単語をひたすら覚えさせたりするのも強制型しつけといえるでしょう。このような方法で例えば英語を身に付けさせようとすると、効果がないどころか、むしろ英語嫌いになってしまう可能性が高いのです。

共有型しつけでお勧めなのは

共有型しつけではどうして言葉が育つのでしょう。このしつけでは、親が子どもの様子を見ながら話しかけたり、共感したりしています。内田氏によると、母親の関わり方に対応するように、子どもも主体的に探索したり、自律的に考えて行動するようになり、結果的に自分の関心領域について主体的に動けるように育つのです。

同氏は「50の文字を覚えるよりも1000の『なんでだろ?』を育てたい」としています。子どもが自ら思考することによってこそ、豊かな言葉が育っていくというわけです。

共有型しつけの子育てにお勧めしたいのは、絵本の読み聞かせです。ただ、最初に確認しておきたいのは、絵本は子どもにとって英単語や文字、知識を得るツールではないということです。絵本は子どもの心を豊かにするもの、読み手とのコミュニケーションを楽しむものです。

親子で絵本を読みながら、親は子どもの様子をうかがったり、子どもの目線を探ってどこに興味があるのか見てみる。「楽しそうだね」「怖そうだね」など子どもの心に沿って共感する。共感して同伴してくれる人が隣にいることによって、子どもは物語の冒険を体験することができます。

勇気や知恵をもって壁を乗り越え成長して戻ってくる主人公に、自身を投影させて子どもは心を安定させ、自尊心や自己肯定感を育てていくことができるのです。

絵本の中には不思議な出来事が現れます。空を飛んだり、魔女に会ったり、王様をやっつけたりと、言葉とイラストによってさまざまな出来事をイメージすることになります。イメージをすること、登場人物の気持ちを感じ、因果関係を知るなどといったことは物事をメタ的に思考する力を育みます。

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