「日産デイズ」と「三菱ek」乗ってわかった実力 それぞれの車種の違いを体感した部分とは

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最初に試乗したのは、ekワゴンのG(搭載エンジンは①)のFFモデル。結論からすると先代からもっとも進化したのが①を搭載したグレードで、日常走行での運動性能には不足がなかった(ドライバー1名での試乗)。開発陣に伺うと、ともに新開発のエンジン&CVT(トランスミッション)は、こうした日常走行での走行フィールを第一に考えて設定したとのこと。

試乗ルートが湾岸地域で平坦路が多かったこともあり、山間部で多人数乗車ともなれば印象も大きく違っていたかもしれないが、平均車速35km/h程度で30分ほど試乗した際の燃費数値は20.8km/lとWLTC市街地モード燃費を12%ほど上回る結果となった。

4WDモデルの特徴は?

次はekクロスのG(同②)の4WDモデル。車両重量にして80㎏重くなるものの、ハイブリッドシステム(モーター出力2.7PS/モータートルク4.1kgf・m)のおかげで、タイヤ一転がり目の出足から①よりも力強い。

具体的には市街地で必要な連続する加速度(躍度)を保っていく場合、ハイブリッドである②はアクセルの踏み方にして①よりも20%以上小さくてすみ、結果、CVTの変速レシオもハイギアード側へ移行しやすくなってキャビンは静か。常用エンジン回転数は①よりも1000回転弱低く保つことができた。また、燃費数値はWLTC市街地モード燃費を30%も上回る20.7km/lとハイブリッド効果が現れた。

続いてekクロスのT(同③)の4WDモデル。さすがに常用域でのゆとりは大きく、これなら山道や多人数乗車でも不足ないはず。これにはトランスミッションであるCVTに、トルコン方式の有段ATのようなエンジン回転数制御を行うステップ機構が軽自動車としてデイズ&ek系すべてに初採用となったことも功を奏している。

ステップ機構は登録車(普通車)のCVTでは一般的に用いられている技術で、加速時にATが変速するようにCVTのレシオを変えることで、エンジン回転を段階的に下げる制御を行う。これによりCVT特有のエンジン回転先行型の加速が抑えられる。

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