また、これは同じ設計であるデイズ&ek系すべてに当てはまることだが、運転姿勢がとても自然であることも走行性能にゆとりを感じる一因だ。キャビンの拡大とともに視界を上下左右方向へと広げ開放感を高めつつ、前席の背もたれ部分には人の背骨を包み込むようなカーブが設けられ、シート座面も太ももをしっかりサポートする形状に改められている。
加えて、シフトノブの位置を高めて操作する際の角度を緩め、さらにアクセルペダルの角度を強めて自然と足で踏み込めるようにした。ハイトワゴン系はアップライトな運転姿勢になりがちだがデイズ&ek系は、より自然な姿勢を保ちやすい。
注目装備「ProPILOT」をテスト
デイズの走りはどうか。前述のとおり2台の走行性能に違いはないとのことだったが、デイズで試乗したハイウェイスターGターボ(同③)とハイウェイスターX(同②)はともにFF方式で、ekクロスは試乗した2グレードとも4WD方式。この4WD方式は駆動システムの違いからリアサスペンションの機構が異なり、FF方式のトーションビームからトルクアーム式3リンクへと変更されている。
これが乗り味には結構な違いを生んでいて、大きな凹みを通過した際に身体へと伝わるショックはトーションビームのFF方式が少ない。
「乗り味の違いはわれわれも確認しています。ただ、サイズの制約や重量増をなるべく抑えるという軽自動車の制約のなかではかなり力を入れて開発しました。ただ、この先の改良ポイントであることも確かです」と日産のエンジニアはそう語ってくれた。ちなみに、一般社団法人である全国軽自動車協会連合会によると、バンやトラックを含めた軽自動車全体のうち4WD比率はここ数年20~25%程度だ。
デイズでは高速道路を試乗することができたので、ハイウェイスター・プロパイロットエディションに標準装備、ハイウェイスター系に装備可能な軽自動車初の注目装備「ProPILOT」をテストした。ProPILOTは、アダプティブ・クルーズ・コントロール(追従走行支援機能)である「インテリジェントクルーズコントロール」と、レーン・キープ・アシスト(車線中央維持支援機能)である「ハンドル⽀援」の2大運転支援技術を組み合わせた先進安全技術(ADAS)だ。
このシステムは、所定の条件を満たしていればハンドル右側の操作スイッチを2回押すだけで起動させることができる。これは非常にわかりやすいインターフェース(HMI/人と車の接点となるスイッチなどの呼称)で、こうした運転支援技術になれていないドライバーでも操作に戸惑うことが少ないと思われる。
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