自己肯定感「低い子供」が減らない日本の危うさ

「学力低下」や「薬物依存」に陥るリスクが高い

一方で、いじめの認知件数や虐待相談対応件数、発達障害の可能性がある子どもの増加などがあります。はたして子ども自身は、日々の生活に満足しているのでしょうか? 単純な比較はできませんが、調査を始めた頃と、最近の調査を比較する必要があるのではないかと考えています。

「自己肯定感の低さ」をめぐる問題

自分を肯定的に捉える、あるいはありのままの自分を受け入れるということは、さまざまな困難を乗り越えて充実した人生を送るためだけでなく、他人と協調していくためにも必要なことといえます。

自分を否定的に捉えると、他人のことも否定的に捉えたり、他人からの言動を被害的に捉えたりすることで、対人関係がうまく成立しなくなってしまうからです。そうなると、コミュニケーションをとることが難しくなってしまいます。

海外の研究では、低学力、少年犯罪、薬物依存、10代の妊娠、自殺などと、自己肯定感に相関があることが指摘されてきました。日本においても、居場所がなく不安を抱える子どもたちが増えていることが指摘されています。私の外来で診察している小〜高校生(小児の精神疾患)も、自己肯定感が低い子が多いといえます。

私たちの調査でも、QOLが低いと抑うつ度(気分が落ち込んで、思考、感情、行動に影響が出ている度合い)が高く、QOLの低下と自尊感情の低下が密接に関係している、すなわち抑うつ度が高いと自尊感情が低くなることもわかりました。

私は、自己肯定感が低いと、人間関係の構築およびその後の人生におけるストレスを乗り越えることが困難になると考えています。ささいな体験を延々と引きずり、トラウマとなってしまうのです。

子どもが自己肯定感を保つには、親の影響、とりわけ母親の影響が大きいと考えられてきました。もちろんそれだけではなく、本人自身の要因や、民族性、環境の影響もありますが、子どもたちは主に愛着の形成時期に、母親もしくは父親が自分をどう見ているかで、自分自身の価値を推し量っていることが多いからです。

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