自己肯定感「低い子供」が減らない日本の危うさ 「学力低下」や「薬物依存」に陥るリスクが高い
母親や周囲の大人が、子どもたちに「悪いところがたくさんあるから直さなければいけない」などと否定的なメッセージを送り続ければ、「できないのは自分が悪いからだ」と思い込んで、自分を受け入れることができず、自己肯定感は低くなります。
私がQOL調査をはじめた2000年頃から気になっているのは、子育てをしているお母さん・お父さんたち自身が自己肯定感が育まれていない、保てていないのではないか、ということです。
QOL調査では、自尊感情は小学生よりは中学生、中学生よりは高校生のほうが低い傾向があります。中高校生ではほかの国と比較しても低さが際立っていると考えています。
自己肯定感が低いまま親になると…
自分自身の限界を感じれば自己肯定感は低下しますが、「それでいい」と思うことができれば、それ以上低くなりません。問題は、日本の青年は自分自身が「それでいい」と思えないまま大人になり、社会生活を送っているのではないかということです。
私たちが使用しているQOL尺度は高校生までを対象としたものですので、高校卒業後は同じ質問では調査できません。大人を対象とした自己肯定感の調査はいろいろありますが、広く一般を対象に行うものは仕事や夫婦生活などについても質問がありますので、単純に子ども版と比較することはできません。
推測の域を出ないのですが、自己肯定感が低い状態で社会参加したり、家庭で子育てを行うことになると、自己肯定感は回復しないのではないかと危惧しています。
結果、母親(もしくは父親)が、自分の自己肯定感が低いことを育児をしながら自分の子どもに投影してしまい(自分自身のとくに子どもの頃のネガティブな思いを自分の子どもに見いだしてしまう)、親が子どもを肯定的に評価できないと、子ども自身も自己肯定感が保てなくなるのではないか、と思っています。
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