メンバーがモノを言えないチームが残念な理由 不安や恐れを取り除き積極行動の場を作ろう

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「どうせ」「しょせん」「やっぱり」と言わせないように(写真:Fast&Slow/PIXTA)

チームで活動をしていると、さまざまな問題にぶつかります。それに対してチームとして有効な解決策を立案し、実行して乗り越えていかなければ目的や目標を達成することができません。

そのためにはそれぞれのメンバーが自らの抱えている問題やアイデアをチームとして共有しなければなりません。

しかし、多くのチームではそれを「場」が阻害してしまっています。

「どうせ」「しょせん」「やっぱり」「この場では言っても無駄だ」という感情をメンバーがチームに対して抱いてしまっているのです。

メンバーたちがチームの問題に気づいていたり、問題を解決するためのアイデアを持っていたりしたとしても、それらを心の内に秘めてしまっていることがよくあります。

チームの問題やメンバーのアイデアがテーブルの上にあがりさえすれば、多くの問題が解決していくにもかかわらず、場に対するネガティブな感情がそれを妨げてしまっているのです。

こういった場に対するネガティブな感情を排除し、積極的な発言や行動を引き出すために重要な考え方が「心理的安全」という考え方です。

昨今ではグーグルがこの「心理的安全」を重視した組織運営に取り組んでいることで注目されています。

チームに「心理的安全」を醸成し、問題を共有・解決するための積極的な発言や行動を引き出すことが重要です。

己をさらして心理的安全をつくり出す

拙著『THE TEAM 5つの法則』でも触れていますが、心理的安全に支障をきたす原因は、4つに分類することが可能です。

1つ目は、「無知(Ignorant)だと思われる不安」。

こうした恐れが蔓延した環境だと、発言や行動が起こりにくくなってしまいます。

これを防ぐためには「率直質問機会」を提供するのが有効です。

そもそも、こうした不安を感じてしまうのは「イマイチな質問をすると他のチームメンバーの機嫌を損ねるかもしれない」と考えてしまう場合です。よって、どんな内容の質問をしても大丈夫だと積極的に伝え、質問することそれ自体がすばらしいということを共有する場をつくる必要があります。

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