メンバーがモノを言えないチームが残念な理由

不安や恐れを取り除き積極行動の場を作ろう

そうした環境を醸成できれば、「無知だと思われる不安」を感じることはなくなっていきます。反対に、「こんなことも知らないのか」といった言い方をされてしまうと、心理的安全が損なわれます。メンバーがきちんとチームの状況を理解できていなくても、それを質問などで解消しないまま活動に取り組んでしまう可能性が生まれます。

2つ目は、「無能(Incompetent)だと思われる不安」。

「こいつは大したことがないな」と思われる恐怖から消極的になってしまったり、自分の失敗をチームに隠してしまったりする状態です。

これに対処するためには、「失敗共有機会」を設け、「失敗を恐れず、挑戦してもいいんだ」と思える環境を整備することが効果的です。あえて、メンバーたちに自分の失敗を共有してもらい、そこからともに学び、成長していく場をつくることで、失敗が悪なのではなく、失敗を隠すことや失敗から学ばないことが良くないのだということを感じてもらうことがポイントです。

反対に、失敗したメンバーに対して「こんなこともできないのか」といった反応をしてしまうと、メンバーは途端に消極的な考え方に支配されてしまいます。

3つ目が、「邪魔(Intrusive)だと思われる不安」。

チームの議論を遮ってしまうことへの恐れにより発言への積極性が損なわれてしまうことを防ぐためには、「発言促進機会」の設定が有効です。

時に議論を止めてしまったとしても、意見が生まれたこと自体を良しとする風土を醸成することが大切です。なぜならば、議論を止めてしまうことを過度に恐れてしまうと、折角自分の頭の中に浮かんだアイデアをチームで共有しないということが頻発してしまうからです。「今の言う意味あった?」などの反応をしてしまうと、メンバーはこの悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

反対意見は和を乱すという風潮

最後の4つ目が、「批判的(Negative)だと思われる不安」。

チームの方針に反対するとほかのメンバーから自分が何でも批判的な人物だと思われてしまうのではないか、という恐れがメンバーに蔓延し、みんなが無思考なYESマンになるリスクがあります。

そのようなリスクを下げていくために、「反対意見機会」を設け、人と違ってもいいのだと思える環境をつくることです。

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この場合のNGワードは「それは絶対違うでしょ」。このような発言を減らし、反対意見を言える気風を生むことができれば、次第にコミュニケーションは円滑になっていくはずです。

もしもチームに発言や行動に対する不安や恐れが蔓延しているのであれば、ここで紹介したNGワードをチーム内で共有するといいでしょう。そして「率直質問」「失敗共有」「発言促進」「反対意見」などを積極的に行う場を設けるのが望ましいです。

このような4つのアプローチでチームの中に「心理的安全」を生み出すことができれば、メンバーの積極的な行動や発言を生み出しやすいコンテキスト(文脈)を持った場をつくることができます。

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