日本と台湾、「チョコ」が結ぶ長く深い意外な縁 「森永村」で日本人がカカオをつくっていた

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「福灣巧克力(Fu Wan Chocolate)」には洗練されたチョコレートとともに、収穫されたばかりのカカオの実が並ぶ(筆者撮影)

現在、台湾のカカオはほぼすべてが国内利用で、輸出はほとんどされていない。生産量がわずかなので、カカオ豆が「世界一」と言われるほど高いのだ。

価格と品質のバランスが課題

「台湾が本格的なカカオ生産地になるには、栽培量を増やし、同時にカカオ豆の品質を上げなくてはなりません」。日本の有名ショコラティエである土屋公二さんは話す。海外市場に向けた展開には、品質と価格のバランスが課題となる。土屋さんは2013年から定期的に台湾へ渡り、カカオ栽培やチョコレート作りのアドバイスを続けている。

一説には、戦後、台湾人がブラジルからカカオの苗を運び込んだとされるが、戦前の日本人による前例がきっと生かされたことだろう。

「日本人がカカオを台湾にもたらしたことに感謝しています。今も台湾のカカオには、戦前の品種が残っています」と屏東で1997年からカカオを栽培する李松源さんは話す。「当時の日本人のカカオへの志とビジョンを賞賛します」とはFu Wan Chocolate 許華仁さんの言葉だ。

戦前に日本人が植えたカカオは、今もどこかで育っているかもしれない。

市川 歩美 チョコレートジャーナリスト/ジャーナリスト

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いちかわ あゆみ / Ayumi Ichikawa

大学卒業後、民間放送局に入社、その後NHKで、長年ディレクターとして番組企画・制作に携わる。現在はチョコレートを主なテーマとするジャーナリストとして、日本国内、カカオ生産地などの各地を取材し、情報サイト、TV、ラジオなど多くのメディアで情報発信をしている。チョコレートの魅力を広く伝えるコーディネーターとしても活動。商品の監修や開発にもかかわる。

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