スタバの「犬以下」まで経験し変わった金銭感覚 お金に縛られないための"3つのルール"

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① 収入を増やす努力をする

まずお金がないと感じている場合は、「収入を増やす」ことに集中するのがいいでしょう。世の中で必要とされ貢献してお金を得ることは、それ自体が喜びをもたらすはずです。

そのために自己投資が必要であれば、時に借金をしてでも注力するのがいいと思います。資産運用サービスを提供している身ではありますが、とくに20代なら、余裕資金は資産運用ではなく自己投資に充てることを強くお勧めします。若い頃の自己投資によって得られるリターンは、資産運用で得られるリターンよりずっと力強いからです。

自己投資に成功し、収入を増やすことができれば、お金がなくてお金に縛られることはなくなるはずです。

② 収入が増えても生活水準を上げない

さて、結果として収入が増えたときこそ、気をつけなければいけません。ポイントは、生活水準を上げすぎないことです。

転職などで収入が増えると、周りの人の生活水準が高い――例えば高級車を保有している、三ツ星レストランで食事をしているなど――を肌で感じることも多いでしょう。羨ましいと感じるのは自然なことなのですが、一度立ち止まって考えてもらいたいのです。

それは本当に自分が実現したいライフスタイルなのでしょうか。家族も望んでいるのでしょうか。周りの人に流されていないでしょうか。もし自分も家族も本心では望んでいないのに生活水準を上げるとしたら、誰のため、何のためなのでしょうか。

「お金」と「家族」を天秤にかける

マッキンゼーにいたとき、責任あるポジションにいる人の退職を何度も目にしてきました。退職理由のほとんどは、“家族”でした。高収入を得ながら社会に貢献する意義を感じつつも、家族を大切にしたいという自分の夢を考えたとき、今のワークスタイルは維持できないという決断だったのでしょう。

もし収入が上がって生活水準を保つ自信がなければ、収入を上げすぎないということも選択肢に入れたほうがいいかもしれません。

③人生で本当に大切なことに向き合う

最後に、人生で実現したいことに向き合うことです。

『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

日本にいると、お金の話は避けられがちです。しかし、お金はとても大切です。お金があれば、夢や目標を実現できるチャンスが広がります。だからこそ、世の中から必要とされてお金を得ることに一生懸命にならなくてはいけません。安心して老後を迎えるために資産運用で備えることも大切です。

一方で、お金には限界があります。もし私がVIP待遇を受け続けたいがために、お金に執着して仕事を続けていたら、起業することはなかったでしょう。お金を得ることが自己目的化するとかえって不自由になってしまうのです。

とはいえ、お金の大切さと限界を意識し、お金とのちょうどいい距離感をとり続けるのはとても難しく、私は今でも試行錯誤しています。お金から自由になり、自分が本当に大切にしたいことと向き合えるようになれば、人生はより豊かになっていくのではないでしょうか。

柴山 和久 ウェルスナビ代表取締役CEO

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しばやま かずひさ / kazuhisa Shibayama

次世代の金融インフラを日本に築きたいという思いから、2015年に起業し現職。2016年、世界水準の資産運用を自動化した「ウェルスナビ」をリリースした。2000年より9年間、日英の財務省で、予算、税制、金融、国際交渉に従事。2010年より5年間、マッキンゼーにおいて主に日米の金融プロジェクトに従事し、ウォール街に本拠を置く資産規模10兆円の機関投資家を1年半サポートした。東京大学法学部、ハーバード・ロースクール、INSEAD卒業。ニューヨーク州弁護士。

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