スタバの「犬以下」まで経験し変わった金銭感覚 お金に縛られないための"3つのルール"

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そもそもなぜこんな状態になったかというと、仕事を辞めてMBA留学したものの、次の仕事が見つからなかったからです。

「家庭を大事にしたい」という思いから、10年近く勤めた財務省を退職した後、フランスのパリ郊外のビジネススクールにMBA留学しました。学費が高く、退職時に1000万あった貯金は、卒業するとき100万円を切っていました。

ビジネススクールを卒業すれば仕事が見つかるだろうという見立ては甘く、20社近い企業に応募しても受かりません。同級生が次々と内定をもらう中、無職の状態で卒業することになりました。帰国後も就職活動を続ける中、ついに預金が8万円まで落ち込みました。

こうなると、お金のことばかり考えてしまいます。野菜の値段が数十円変わるだけで身体が反応するほどで、知らず知らずのうちにお金に縛られてしまっていました。ただ、最もつらかったのは、「お金がないこと」そのものではなく、世の中の誰からも求められていないという感覚でした。

あるとき四谷3丁目のスターバックスで、妻と1杯のコーヒーを分け合っていたら、目の前にいた老婦人が愛犬にマンゴー味のフラペチーノを食べさせ始めました。この瞬間、言い表しようのない衝撃を受けました。飼い主から必要とされ、フラペチーノをおいしそうに食べている犬。片や、無職でお金もなく、昼間から1杯のコーヒーを分け合っている自分。自分は世の中に必要とされていない人間だ――。

世の中に必要とされ貢献していれば、お金はおのずと入ってきます。当時の私にお金がなかったのは、世の中で必要とされることをしていなかったからです。とはいえ、当時はそんな考えに至る余裕もなく、次の職場となったマッキンゼーに拾ってもらうまで、お金のこと以外は考えられない状態でした。

ちなみに「犬以下」は、今となってはよい経験だったと感じます。とくにマッキンゼーをやめて起業しようと思ったとき、失敗してすべてを失ったとしても「犬以下」にはならない、と腹をくくりました。 いい例えかどうかはわかりませんが、お化け屋敷も一度入ればそれほど怖くなくなります。一度どん底を知っていたからこそ、自分が信じる道を選べたのだと思います。

お金がありすぎてもお金に縛られる

お金がない状態から、今度は「お金がありすぎる」状態へと急展開していきます。お金がないときの「お金に縛られる」は、お金のことしか考えられない状態でした。不思議なことに、お金がありすぎるときも、お金のことしか考えられない状態に陥りがちです。

マッキンゼーのニューヨーク時代、高年収とVIP待遇によって、私もそうですし、お金に縛られた同僚を何人も見てきました。コンサルタントにかかわらず、年収の高い職種の人は、要注意だと思います。

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