スタバの「犬以下」まで経験し変わった金銭感覚 お金に縛られないための"3つのルール"
マッキンゼーで働き始めた私を待っていたのは、別世界でした。ニューヨークでは、クレジットカードがプラチナカードになり、飛行機は毎回ファーストクラスにアップグレードされ、空港ではリムジンが出迎えてくれました。
アメリカのさまざまな都市を飛び回ると、ホテルのスイートルームに、支配人からの手紙とともにフルーツが用意されていました。専任のコンシェルジュが付き、出張先にちょうどよいホテルがない場合にはライバルチェーンのホテルを予約してくれるほどの特別待遇でした。
想像していなかった出来事が起こるとあっけにとられるように、突如訪れたきらびやかな生活に私はいっとき心を奪われていました。
私の場合、どん底から反転し、収入が急増したこともお金に縛られた原因の1つだと思います。アメリカ人の妻は、私がいつ“Do you know who I am?(私をいったい誰だと思っているんだ?)”と言い出すのではないかと心配していました。
舞い上がっていた私ですが、次第に違和感を覚えるようになりました。プラチナカードもリムジンもスイートルームも、マッキンゼーのメンバーとしての特別扱いにすぎません。
そもそも、「家庭を大事にしたい」という思いで財務省を辞めたのに、気づけば週に4日は出張で家にいません。スイートルームにチェックインしても、ソファで1人深夜まで仕事をし、早朝から電話会議に臨むような毎日です。家族と離れて仕事に追われ、睡眠不足になっている自分に気づいたとき、言い表しようのない虚無感に襲われました。やがてプラチナカードは解約し、スイートルームも断るようになりました。
収入が上がって生活水準を極端に上げると、お金のことばかり考えてしまいます。マッキンゼーの同僚の中には、収入が上がったことで交遊関係が派手になったり、極端にお酒に身を投じる人もいました。分不相応な生活水準を維持しようと、やりたくない仕事を続けていたり、収入が下がる転職をしようとして家族の反対にあうケースも見てきました。家族もお金に縛られてしまっていたら抜け出すのはかなり難しくなります。
お金に縛られないための3つのポイント
お金があってもなくても、お金に縛られている状態はとても不幸です。お金はあくまで、目標や夢、日々のささやかな幸せを実現するための手段なのに、お金のことしか見えなくなっている状態だからです。ではどうすればいいでしょうか。
ポイントは大きく3つあります。
② 収入が増えても生活水準を上げない
③ 人生で本当に大切なことに向き合う
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