グーグルが示した「プライバシー不信」への回答 個人情報の「可視化」と「制御」とは?

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豊富なデータ収集力は、AI技術開発においては大きな武器だが、一方で一般消費者からの不信感も同時に買ってしまう。グーグルは特定個人と結びつけたデータビジネスは行っておらず、当然ながら外部にデータを販売することもないとしているが、一方でデータを基にしたターゲティング広告などの事業で収益を得ていることも事実だ。

スマートフォン領域で競合するアップルは、直接の名指しでは批判していないものの「自分たちはハードウェアメーカーであり、あらゆる手段を講じてネット利用の履歴を追跡できないよう設計している」と訴求していた。自分たちはデータを基にした一切の商売はしていない、というわけだ。

「可視化」と「制御」の内容とは

一方、グーグルはピチャイCEOが、個人情報の扱いについて「可視化」と「制御」の2つの方向で、利用者自身がよりわかりやすく自分自身の情報を管理するためのツールを提供すると約束していた。一連の発表は、そうした“公約”をしっかりと果たすことで漠然とした不信感を払拭する狙いがある。

グーグルは提供しているさまざまなクラウド型サービスにおいて、ユーザーの行動データを利用していることを認めている。ただし、それは不正なものではなく、高精度の検索結果を得たり、渋滞を分散させ最短時間で目的地に到着するためのルート検索、より自然な自動翻訳や会話型アシスタンスサービスなど、利用者に大きな利益をもたらす用途で使われていると主張してきた。

とはいうものの、消費者は自分たちのデータがどのように扱われているのか把握する手段はなく、可視化できていないため漠然とした不安も持つ。そこで可視化と使いやすい制御ツールで不信感を払拭しようとしているわけだ。

まず、従来からあったアカウント制御機能「Googleアカウント」への動線をわかりやすくした。

データ制御に関しては、完全な匿名モードである「シークレットモード」を、グーグルマップと検索に追加している。検索バーの右端にアカウントのアイコンが表示され、それをタップすることで簡単にシークレットモードへと入ることができる。

シークレットモードはChromeブラウザーやYouTubeで導入されていた検索履歴を残さないモードだが、その適応範囲を広げたうえで、匿名とするための作法を決め、わかりやすい形で実装した。

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