コーヒー店値上げに見る「令和ショック」の前兆 めでたい元年に待ち受ける「3つの不安」

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同様に4月19日より値上げを実施したのが、タリーズコーヒー。こちらは本日のコーヒー を320円から330円へ、カフェラテを360円から370円へ、カフェモカ430円を440円(※すべてSサイズ)など、やはり10円から20円ほど上がった。

企業側は値上げの要因を主にはコスト増と説明しているが、やはりそれには秋の消費増税が絡んでいるとみてもいいだろう。メニュー記載の価格を税込みで見せていたチェーンは、先に手を打ったのではないか。

とくに軽減税率の対象外とされた外食にとっては、増税直前には二重に価格を上げにくい。3月には「カレーハウスCoCo壱番屋」でも東京23区内の店舗などで一部商品を21円値上げした例もある。

もし、ほかにも税込み表記でメニューに価格を出していたり、税込み価格を切りのいい数字にまるめている外食チェーンがあれば値上げに要注意である。

各コーヒーチェーンは自前のプリペイドカードを発行しており、その利用客にはポイントを付与したり、割引したりの優待サービスを実施している。それらでささやかな防衛を図るしかないか。

ふるさと納税も6月からはオトク度は厳しくなる

さらに、令和から制度が変更になるものが、ふるさと納税だ。

返礼品競争の過熱ぶりに端を発し、国が返礼割合を3割にしろと通達しても言うことを聞かない自治体に業を煮やし、とうとう国は地方税法の一部を改正し、新しい制度を創設した。それが、ふるさと納税の対象となる自治体を指定制にするというものだ。

今後、各自治体は、「うちをふるさと納税の対象にしてください」との申請を行う必要がある。それに対し、総務大臣が新しい基準に適合したと認めた地方団体を指定することになる。さらには返礼品についても細かい基準がある。

・返礼品の返礼割合を3割以下とすること
・返礼品を地場産品とすること

これを守らない自治体は指定してもらえない。ふるさと納税で人気の返礼品といえば、肉・海産物・米だったが、これまでは何とか理屈をつけ、自由に設定できた返礼品も厳しくチェックされ、それをクリアしない自治体はふるさと納税の対象団体にはなれない。

これまで節約を兼ねて、返礼品の米をあてにして寄付をしていた家庭もあるだろうが、6月以降は注意が必要だ。また、指定からもれた自治体にうっかり寄付をしても、ふるさと納税の控除対象にはならないので、そこも注意点。

ちなみに、これまで国の通達を無視する高還元率返礼を続けていた静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4市町は、6月からはふるさと納税対象から外される方針だという。さらには、制度への参加を辞退した東京都も対象外となる。

なお、この指定制度、念の入っていることに毎年申請が必要とのこと。つまり、1年間ルールを守っていないと、来年からはダメですよと言われかねないのだ。なんとも厳しい話だ。

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