例えば、男性客が経済の話をしていると、「私、経済学部出身なんですー! 仕事もそれ系なんだけど、なんか話あうかもー」。
また、アイドルの話をしている人に対しては、「私、アイドルグループのオーディション受けて、最終審査まで残ったことありますー」。
さらに、介護の話をしている人がいると、「私、介護の資格にトライしてますー! やっぱりこれからは介護ですよね!」。
スナックでこそ素の自分を出して勝負
などなど、相手に合わせた話のオンパレード。聞いているママも、相手が変わるたびに変化する彼女の経歴に笑いが止まらないらしい。もちろん、話をしている本人は真剣である。悪気はなく、ただ話をするための糸口をつくっているだけのようだ。
しかしあるとき、珍しく男性と一緒に来た彼女が楽しそうに会話をしていると、別の常連客から「あ、アイドルのオーディション受けた○○ちゃんだよね?」と声をかけられ、顔面蒼白に。一緒に来た男性も、「え? 美大卒業して海外留学してたんじゃないの?」などと、ちょっとした修羅場に……。
ママは言う。
「スナックは非日常の空間だから、普段とは違う自分を演じたくなる気持ちもわかるけど、それでは本当の自分を見失ってしまうわ。スナックでこそ、素の自分を出して勝負するべきよ」
今や女性も、男性に混ざってバリバリ仕事をする社会になりつつある。ただ、活躍している女性の多くは、上司の期待と部下の信頼に挟まれて、高度なストレスを抱えている。責任のある役職者であればなおさらだ。スナックは、そのような女性に癒やしを与えている。まさに、女性のオアシスだ。
それだけではない。経験豊富なママは、恋愛さまよい女子に対して光を与えている。的確なアドバイスと優しく背中を押してくれる言葉の数々は、恋愛はもちろん、彼女たちの人生をより豊かなものにしてくれているのだろう。恋愛に悩んでいる人は、1人で悶々とせず、ぜひスナックの扉を開けてみてほしい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら