話し合って決めるチームがほぼ失敗する理由

リーダーは1人で決めよ、メンバーは支えよ

私たちが意思決定を間違える理由を探ります(写真:Fast&Slow / PIXTA)

「3人寄れば文殊の知恵」にはならない

「3人寄れば文殊の知恵」と言いますが、チームをつくることにより、誤った意思決定をしてしまうことがあります。

アメリカの社会心理学者アーヴィン・ジャニスは1972年に「集団浅慮」という概念を提唱します。

「集団が選択肢を現実的に評価するよりも満場一致を優先させようとしたときに生じる、素早くかつ安易な思考」と定義されています。

例えば、1人で道路を渡る際には左右をしっかりと見渡し、信号を確認してから渡るにも関わらず、大勢の仲間と一緒に道路を渡る際には状況を確認せずに先頭の人についていく(集団の一体感を維持する)ことで、事故のリスクが高まってしまうことなどがあげられると思います。

ジャニスは太平洋戦争のきっかけとなった真珠湾攻撃において、アメリカ軍には集団浅慮があったと分析しています。真珠湾攻撃の直前、ハワイ駐留のアメリカ軍司令官は本国から日本軍のハワイ攻撃の可能性を警告されていました。ところが、アメリカ軍の幕僚たちと合議する中で「そんなことはないだろう」という結論に至ってしまい、最後まで警戒を怠った結果、奇襲を受けてしまったのです。

このように、チームにおける意思決定について安易に捉えていると、大きな失敗に繋がる可能性があります。逆に、チームにおける意思決定方法について学ぶだけでパフォーマンスを大きく向上させることができるのです。

拙著『THE TEAM 5つの法則』でも詳しく解説していますが、チームの意思決定には3つの方法があります。

次ページ「独裁」vs「多数決」vs「合議」
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
消える仕事、残る仕事<br>1億人の「職業地図」

コロナ、AI、脱炭素――。私たちの雇用を取り巻く環境が激変しています。今後、どんな職業を選ぶかは死活問題に。2030年に向け「消える仕事」「残る仕事」36業種、「会社員の価値」がわかる9職種を掲載。本特集が職業を改めて考える機会になれば幸いです。

東洋経済education×ICT