子どもを伸ばすには"4つの学習空間"が必要だ 「画一的な一斉授業」とはまるで逆

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高い効果をあげている学校や教室は、どんな学習空間の特徴があるのだろうか(写真:shironosov/iStock)  
スティーブ・ジョブズが熱心に教育活動を行っていたことはよく知られている。そんなジョブズに引き抜かれてアップルの教育部門の初代バイス・プレジデントを務めたのがジョン・カウチだ。
社内だけでなく広く教育システムの変革を推し進めるジョンは、画一化された現行の教育システムを変え、個人個人にパーソナライズ化された教育が必要だと説く。そのための1つとして、高い効果をあげる4つの「学習空間」を整えることが有効だという。

高い効果をあげる4つの学習空間

私は、世界各地の何百という学校や教室を訪問したが、その空間や、そこで起きていることの変わらなさにはいまだに驚かされる。生徒はきれいな列に並んだ席に静かに座り(あまり静かでない教室もあるが)、教師は教室の前に立って授業を行う。

だが、当然ながら、標準的な生徒というものは存在しないため、標準的な教室で学習し、標準的な教科書を読み、標準テストを受ける、といったことを生徒に強要すべきではない。

教育の未来を考えるデイヴィッド・ソーンバーグの著書『サイバー空間のキャンプファイア(未邦訳)』に、学習空間は主に次の3つに分かれるとある。

「キャンプファイア」(1対多の学習を目的とした空間)、「水飲み場」(多対多の学習を目的とした空間)、「洞窟」(1対1の学習を目的とした空間) だ。

私はここに独自に4つめの空間として「山頂」を考案した(私は「山頂」という言葉を長年使っているが、ソーンバーグがこれとよく似た概念を「人生」と呼んで付け加えていることは、彼の最新著作を読んで初めて知った)。

私の経験から言って、高い効果をあげている学校や教室には、4つすべての空間が何らかの形で必ず存在する。

キャンプファイア

1987年にアメリカの教育省が発表し大きな影響を与えることになった調査でも、「モチベーションが低く学習スキルも低い生徒ですら、物語を通じて学ぶ状況においては、話に耳を傾け、文章を読み、ものを書き、熱心に取り組む傾向が強くなる」と結論づけられている。

本物のキャンプファイアに物理環境を似せた教室で物語を語って聞かせ、物語に出てきた言葉が意味するところを生徒に尋ねれば、効果はさらに高まるはずだ。

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