お笑い番組でしつこく「笑い声」が入る深いワケ 私たちはこっそりコントロールされている
映画『クヒオ大佐』で堺雅人が演じた結婚詐欺師は、「アメリカ空軍パイロットでカメハメハ大王やエリザベス女王の親類」を名乗り、軍服姿で女性をだましたという実在の人物がモデルだ。テレビCMで有名俳優が白衣を着て、商品の効果を語るのも同じだ。
われわれは権威には無防備だが、2つの質問で防御できる。
「この権威者、本当に専門家なのか?」。クヒオ大佐は、実は飛行機を操縦できない。
「この専門家、どの程度誠実なのか?」。その人にどれだけお金が入るか考えれば、ダマされる可能性は減る。
希少性のワナから逃げるには?
私たちは「手に入りにくいものはいいもの」と考える。これは「自由」と関係がある。
入手する機会が減ると、「入手する自由」を失う。私たちは自由を失うのを嫌う。これを「心理的リアクタンス」と言う。要は「自分で決められないのはイヤ」なのである。
だからわれわれは「限定10個」と言われた瞬間にスイッチが入り、無性にほしくなる。
防御策は「希少なモノがいいとは限らない」と気づくこと。希少なものがほしいのは、使いたいからではなく、単に所有したいからだ。「限定10個」と言われたらまずは頭を冷やし「本当にこの商品がほしいのか?」と考えれば、希少性のワナから逃れられる。
時代の流れが速くなり情報も増え、判断すべき選択肢も増えているので、私たちは「思考の近道」を使わざるをえない。本書の最後でチャルディーニは、「思考の近道を使い意思決定すれば日々の生活を効率的にできるが、この仕組みを悪用する者もいる。本書の6つのポイントを理解し、そのようなインチキに対抗してほしい」と締めくくっている。
私たちビジネスパーソンは、日々の仕事でつねに交渉している。相手の攻撃パターンを理解しよりよき交渉をするうえで、本書は大いに役立つはずだ。
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