「ポスト安倍に菅官房長官」説が急浮上したわけ

党内で増す「たたき上げ」政治家の存在感

「ポスト安倍」候補に急浮上した菅官房長官(右から2人目)、写真は2018年4月16日の月例経済報告関係閣僚会議(写真:時事通信)

新元号「令和」を発表した菅義偉官房長官がポスト安倍の有力候補に急浮上している。

30年前に「平成」の額を掲げて「平成おじさん」として人気者となった小渕官房長官がその後、首相の座を射止めた歴史もあり、今回も「菅氏が次の首相になるのでは」との観測が、政界だけでなく国民の間にも広がっている。

「菅後継説」の背景にはポスト安倍候補不足

当の菅氏は記者会見で「(首相になることは)まったく考えていない」と繰り返し否定しているが、自民党内ナンバー2の二階俊博幹事長が10日発売の月刊誌で「(総裁候補として)十分耐えうる人材」などと評価した。また、岸田派名誉会長の古賀誠元幹事長も8日の民放テレビ番組で、同氏が後見役となる岸田文雄政調会長を差し置く形で、菅氏を次期首相の有力候補に挙げてみせた。

ここにきて、安倍晋三首相の「総裁4選論」と同時進行の形で「菅後継説」が浮上した背景に「ポスト安倍の人材不足」(自民幹部)があるのは否定できない。ただ、二階氏の発言も含めた党内の動きを、夏の参院選後に想定される党役員・内閣改造人事に向けた政権内部の権力闘争とみる向きも多い。今後も実力者による思惑絡みの発言が続きそうだ。

4月1日正午前、首相官邸で「新元号は令和であります」と緊張した表情で発表した菅氏だが、直後に安倍首相自身が会見して新元号の典拠(出典)などを説明したことで、内外には「安倍改元」の印象が広がった。しかし、翌2日の新聞各紙1面での新元号報道では、ほとんどが「令和」の額を掲げる菅氏の写真を掲載、インターネットなどでも一気に「令和おじさん」が拡散した。

永田町や霞が関ではもともと、「首相に何かあった場合は菅氏が後継者」との観測があった。ポスト安倍を狙う石破茂元幹事長や岸田氏が決め手や迫力に欠けているため、「安倍政治を継承するなら、安定感のある菅氏しかいない」(自民長老)との見方が広がっていたからだ。だからこそ、二階氏が新元号発表にタイミングを合わせるように「菅後継」の可能性に言及したことで、メディアは一斉に「菅氏がポスト安倍に急浮上」と報じたのだ。

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