「ポスト安倍に菅官房長官」説が急浮上したわけ 党内で増す「たたき上げ」政治家の存在感

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大手メディアの最新の世論調査での「ポスト安倍」候補の人気度でも、菅氏への支持は急上昇している。国民的人気者の小泉進次郎氏や石破氏、岸田氏に肩を並べる勢いだ。とくに、30~40代男性の支持の高さは、政権運営で菅氏が発揮してきた実務能力への評価によるものとみられている。その一方、党内で浮上している安倍首相の総裁4選論については各調査で反対が過半数を占めている。

こうした状況がポスト安倍の後継レースの不透明感にもつながり、首相が参院選後の夏から秋にかけて断行するとみられている党役員・内閣改造人事をめぐって、党内外で揣摩臆測が広がる原因ともなっている。とくに安倍首相が、麻生、菅、二階3氏に委ねてきた「政権の骨格」を参院選後も維持するのか、それとも「人心一新」して再出発するのかがポスト安倍も絡む最大の注目点となる。

麻生、二階氏は「もはや老害」

細野豪志・元環境相の二階派入りなど、旧民主党系議員の自派取り込みなどで党内にあつれきを引き起こしている二階氏が、ここにきて「総裁4選論」や「菅後継説」を打ち上げたのも、「俺を外すと大変だぞ、という幹事長続投への強烈なアピール」(自民長老)との見方が多い。

また、統一選前半戦の直後に1万円札などの紙幣の一新を決断、発表した麻生氏も「続投に意欲満々」(側近)とされる。これに対し、菅氏周辺からは「麻生、二階両氏はもはや老害。これからは菅氏が政権運営を主導すべきだ」(無派閥若手)との声も出ている。

もちろん、「人事は参院選の結果次第」(自民幹部)でもあり、衆参同日選の有無や10月からの消費税10%の可否も絡むため、まだ流動的要素が多い。しかし、党内では早くも骨格交代を前提にした「菅幹事長、岸田財務相、茂木敏充外相、加藤勝信官房長官」といった人事構想が流布されている。「二階氏の一連の発言や、菅氏をポスト安倍に推す動きも、一皮めくれば人事をめぐる権謀術数」(首相経験者)との見方が広がる由縁だ。

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