日本ゴルフに「全米ゴルフ協会」が熱視線の事情 アジア初のシンポジウムを3月に東京で開催
USGA(全米ゴルフ協会)が日本のゴルフ界に期待している。
1894年に設立されたUSGAはR&A(全英ゴルフ協会)とともに、世界のゴルフ競技・道具・アマチュア資格を含むゴルフ規則を制定している協会だ。その中で、アメリカとメキシコでのゴルフ規則管理の責任を有している。
ちなみに、日本についてはスコットランドにあるR&Aが統括している。USGAは4大メジャーの1つである全米オープン、その他全米女子オープン、および多くのアマチュア競技を主催している。いわばゴルフのお家元だ。
そのUSGAが3月、東京都内のホテルで「第5回USGAゴルフイノベーションシンポジウム」を2日間開催した。今までアメリカで3回、カナダで1回開催され、今回アジアで初の開催である。200人以上の国内のゴルフ場、練習場、ゴルフ協会関係者が出席し、アジアでは韓国・香港・中国からも出席していた。USGA側からも20人以上が来日したので、その力の入れ方がわかるだろう。シンポジウムの主題は「ゴルフの革新」だった。
ゴルフ離れは全世界で共通した問題
少子高齢化の日本でゴルフ人口減少が叫ばれている中、欧米でも同じく「ゴルフ離れ」が大きな問題となっていることがある。スポーツ・マーケティング・サーベイ社の2017年の調査によれば、全世界の登録ゴルファー数は2012年対比で2.4%減少。英国では4.3%の減少、アメリカでは7.9%減少している。
日本だけでなく、欧米でも課題は同じで、若者のゴルフ離れ・女性の参加が少ないなどだ。理由として、時間がかかる・お金がかかる・難しいそうなどといった点は共通している。
ゴルフに対する外部環境が厳しさを増す中で、USGAは中期目標として2025年までに、ゴルフ産業にかかる水・肥料・エネルギーなどの主要資源消費を25%削減し経営効率化を図ること、ゴルファーの満足度を20%向上させることで、持続可能なゴルフ産業を実現することを掲げている。
シンポジウムの目的はゴルフ場・練習場などのゴルフ施設の生産性向上、ゴルファー体験の向上とプレーヤー増加などがテーマとして取り上げられ、世界中のゴルフ産業の基盤を強化するためのアイデアを共有することであった。
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