日本ゴルフに「全米ゴルフ協会」が熱視線の事情

アジア初のシンポジウムを3月に東京で開催

これらの課題のいくつかについて、USGAのナンバー2であるランド・ジェリス氏に直接インタビューした。

ランド・ジェリス(Rand Jerris)/ USGAパブリックサービスシニアマージンングディレクター。プリンストン大学で芸術と考古学の博士号を、ウィリアムズ大学で学士号と修士号を取得。USGAグリーンセクション、USGAゴルフミュージアム、地域問題、USGAファンデーション、戦略的計画など、研究、科学、イノベーションを含むさまざまな機能を統括。現在はゴルフ環境研究所、We Are Golf、Malcolm Baldrige Performance Excellence Programのボードメンバー(筆者撮影)

USGAとしてゴルフ人口を増やす取り組みとは何か?という質問に対して、

「ジュニアゴルファーの増加を目指している。その1つとして、ガールズゴルフという取り組みをLPGA(アメリカ女子プロゴルフ協会)と行っており、20年前は10歳から15歳のジュニアゴルファーの内、女子は10人に1人だったが、現在は3人に1人が女子という成果を上げている」と話した。

環境に配慮した再生可能なゴルフ場の運営についても質問した。

「1950年代から芝の研究プログラムに資金を投入し、大学と連携して継続して芝の研究を続けている。成長が遅くメンテナンスが少ない、水が少なくて済む、病虫害や暑さに強いなどの品種を生み出すための努力をしている。

それによりゴルフ場管理のメンテナンス負担の軽減につながっている。また、バミューダ芝は冬場枯れるが常緑になるような品種改良などしている」と語った。

ゴルフクラブの規制についてはどう考えているのか

さらにゴルフクラブの規制問題についても質問してみた。この規制により、購買意欲減少やゴルフからのリタイアを早めて、ゴルフ用品産業の衰退(例えばナイキのゴルフ用品からの撤退やアディダスのテーラーメイド売却)につながっているのではないかと筆者は感じているからだ。

「いい質問だが、時期尚早では(笑)。USGAとしてもゴルフ用品産業の衰退は望んでいないので、ゴルフゲームにおける飛距離の役割、問題があるかないかについて研究・分析を進め、検討をしている。大事なことは、楽しみのゴルフの阻害になってはいけないと考えている」と前向きな発言であった。

もちろん、ゴルフの衰退はUSGAにとっても当然望ましいことではない。

USGAがこのようなシンポジウムを開けるのも、そのバックグラウンドとなる資金が豊富だからである。その点についてランド氏に確認してみたが「USGAの年間予算の2億ドル(約200億円)で、その90%は放映権料を含む、全米オープンからの収入によるものだ。4大メジャーである全米オープンを主催できることに感謝している。これもグローバルでゴルフファンがいるおかげである」とのことである。

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