「0党」の意見をどうやって国政に持ち込むか
──具体的にどういう活動をしていくのですか。
青木:まず母数を増やしていきます。ひとまず自分たちで政策を5つぐらい出して、ツイッターやフェイスブックで発信する。そうすると、全国の若い人たちから、「おまえらだけが若者じゃねえ」っていう声が絶対に来る。
Tehu:政治ネタは炎上しやすいから、絶対に来る。
青木:それで炎上したときに、全国で「オレも意見がある」「オレも政党をつくる」みたいなツイッターのリプライが絶対に来るから、そしたら「じゃ、おまえも政党つくれよ」と言う。それで地域政党がいくつか出てきて、盛り上がってくると思うんですよ。そこで「選挙しよう」とみんなで合意形成して、全国一斉に選挙する。与党・野党をちゃんと決めて、議会を開きます。全国から集まって2週間ぐらい合宿みたいなかたちで議論して、いろいろな政策を話し合う。
Tehu:その模擬議会で決めた政策をどうやって国政に持ち込むか。当然ながら、そんな簡単にはいかないわけだ。いかにして政治家側が受け入れざるを得ないようにするか。若者の意見は本来、無視していいはずなのに、何らかの不都合により、彼らが受け入れないといけない状況にするぐらいにしたほうがいいと思うんですよね。どうやって本当の政治に持ち込む?
青木:「0党」の母数が全国である程度、集まったら、本当の国政選挙をやるときに、「0党」の公認を出すという方法を考えています。
たとえば、北海道で自民党、民主党と各政党が出てきたら、地元の「0党」の高校生たちが各政党を分析して、若者向けの政策や良い政策を出していると思った政党に「0党公認」を出してあげる。そうすると、候補者は「民主党公認」「0党公認」というふうになり、その公認がほしいがために、若者の意見に耳を傾けてくれるようになる。
議員さんからすると、選挙の忙しいときに、若い人向けのことに時間をなるべく割きたくないから、日頃からコツコツ努力して話を聞こうとする。お互い、ウィンウィンの関係になるこの枠組みが、打開策の1つになると考えています。
Tehu:そうすると、「0党」の支持者を10代から25歳までだけじゃなくて、30代ぐらいまで囲い込まないとね。
青木:うん。
Tehu:まあ、ここらへんは利害関係がわりと一致しているか。社会保障に関しても悲しい世代なので。
青木:「0党」がうまくいって、10代から30代までを囲い込めたら、議員さんは若者相手だけで選挙に勝てる可能性が出てくるかもしれない。若者たちも「オレらの代弁者が出るかもしれないぞ」って雰囲気になれば、いま選挙に行かないヤツらもこぞって行くようになると思うんだよね。そうなったときに、この国の舵は一気に変わる。
いまからこれを仕掛けたら、2020年の東京オリンピックの頃には、かなり芽が出てきているかもしれないね。
アーティストこそ政治的メッセージを出すべき
──Tehu君は「0党」にどのようにかかわっていくのですか。
Tehu:ボクはコミットするけど、あまり表には出ません。本業はクリエーターなので、裏で動きますよ。ただ、モノをつくる人間が政治的メッセージを出しちゃいけないという風潮は、日本だけですよね。
青木:ハリウッドスターなんて、ぜんぜんやってる。
Tehu:日本の場合、サザンオールスターズが「ピースとハイライト」で政治的メッセージの強い歌を歌ったら、サザンのファンにもネット右翼にも、「アーティストが政治に口出すな」とか「サザンに失望した」とか言われるわけです。「ピースとハイライト」は、直訳すると「平和と極右」。みんなケンカしないで仲良く平和にいこうという、いい曲ですよ。
青木:最高だよねえ。
Tehu:ボクはアーティストこそ、政治的メッセージを出すべきだと思う。
青木:言うってことが大事だし、言いたい人は言えばいいのに、なんでタブー視されるんだろう。結局、この国は民主主義が根づいていないんですよね。ネットリテラシーもないし、独裁みたいな国ですよ。
Tehu:それにみんな気づいていない。
青木:若者がどんどん右傾化していて、安倍政権で、オレ、このリンクがすごい問題だと思う。じゃあ右傾化して戦争になった場合、兵士に駆り出されるのってオレらじゃん。そこをみんなわかってるのかな。こんなこと言うと、「極論だ」とか「左翼」って言われるんだけど(笑)。
Tehu:こっちがニュートラルなんだけど。ニュートラルよりちょっと左かもしれないけど。
青木:中道左派ぐらいかな。さあ、この国は2020年にどうなっているかですよ。オリンピックの話をしようか。
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