日本は、民主主義の国か、それとも衆愚政治の国か?
さて、民主主義は問題の多い制度だが、それ以上にマシな制度を知らない、とフランスの哲学者が言っていた。これに対し私の中国人の友人や中東の友人の多くが、アジア人には民主主義より一党独裁や王朝による統治が伝統的に向いている、とよく話してくれた。
これらを鑑みた時、日本という社会に最も向いている政治形態は何なのだろうか。今や急速に民主党など対抗軸のある二大政党制より一党独裁に回帰するようになり、また国家の権力を個人の権利に優先させる法律や風潮が極端に強まっている。
民主主義とはWell-informed citizen(十分に情報を有している市民、判断力のある市民)の存在が前提であり、また根本的な思想として国家は個人に仕えるために存在し、個人を統治するために存在するのではないという原則がある。
仮にそのどちらも日本社会から消え去りつつあるのなら、すでに日本の民主主義は崩壊しているか、そもそもそんなもの存在していなかったのかもしれない。
今の日本の政治環境は民主主義だろうか、それとも扇動された国民による、衆愚政治だろうか?その答えは私たち一人一人の政治やメディアのレベルに対する問題意識、政治家の一言ポリティクスや、低俗な雑誌や評論家が垂れ流す言説をそのまま受け売りしない、知的なメディアリテラシーの有無にかかっているのだ。
また社会の同調圧力に堂々と抗う勇気、そして国際的視点で相対的に自国の社会を見つめ直し、社会を世界に開かれたより良い国にして行こうという、グローバルな視点こそが、国民一人ひとりの権利を、全体主義な政治家の暴走から救うだろう。
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