「要するに」「簡潔に」を使う人に欠けている視点 それでは相手にちゃんと伝わっていない

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「仮にパーフェクトを100としたら、昨日のプレゼンの自己評価は?」

数字で尋ねると相手も数字で返答する。面白いことに人間とはそういう生き物のようです。もし「90です」と答えたら、「じゃあその残り10はなに?」と尋ねてあげてください。その答えが次回までの課題ということになります。あなたが言うのではなく、相手に「残り10」の正体を言わせるのがポイントです。

人のマネジメントに「数会話」を使う発想

ご紹介したものに共通するのは、「相手の行動に直結する伝え方」になっているということです。例えば「1行で表現して」という指示。これは要するに「これ以上はそぎ落とせないと言えるほど本質だけを残せ」という指示です。それはつまり「本質が何かを深く考える」という行動に直結する伝え方。

『少ない言葉+ていねい+正しそうでOK! 伝わるスイッチ』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

もしこれが単に「エッセンシャル思考しなさい」という伝わりにくい言葉で伝えてしまうと、はたして相手は1行で表現するまでそぎ落とすことができるか大いに疑問です。これは先ほどの「ちょっと今から外を歩きましょうか」と同じ論理です。

数会話のメリットは「伝わる」だけではありません。具体的な行動に直結することが最大のメリットです。ゆえに、私は人をマネジメントする立場の方にこそ、ぜひ意識して使ってみてほしいと思っています。

私がいうまでもなく、ビジネスは人が行動するから成果が出ます。英語で雑談ができることもすばらしいですが、数字で相手を動かすコミュニケーションができることも重要だとは思いませんか。「数会話」は「英会話」よりもずっと大切なビジネスコミュニケーションの手法なのです。だから最後に言わせてもらいます。

ビジネスでは、「数字」が最強の言葉である。

深沢 真太郎 BMコンサルティング代表取締役、ビジネス数学教育家

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ふかさわ しんたろう / Shintaro Fukasawa

一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事。ビジネス数学を提唱する人材教育のプロフェショナル。公益財団法人日本数学検定協会主催「ビジネス数学検定」1級(AAA)は日本最上位。これまでに指導した人数は、延べ7000人。「ビジネス数学」の第一人者として確固たる地位を築く。企業研修のほか学生やプロスポーツ選手などの教育研修にも登壇。数学的な人材の育成に力を入れている。著書に『「仕事」に使える数学』(ダイヤモンド社)、『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など。2018年には小説家としてデビュー作『論理ガール』(実務教育出版)を上梓。

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