外国人が戦慄した一流料理店の「無知と勘違い」 ベジタリアンとヴィーガンは何が違う?

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食材を選ぶ食事法には、肉と魚を食べない「ベジタリアン」(乳製品は食す)、肉と魚だけでなく乳製品も食さない菜食主義の「ヴィーガン」、小麦などグルテンを含有する食べ物は口にしない「グルテンフリー」、フルーツしか食べない「フルーテリアン」、肉以外の食材は食べる「ペスカトリアン」などがある。

日本では、ベジタリアンのことを「菜食主義」と訳すことが多いために混同されがちだが、欧米では菜食主義はヴィーガンのことを指す。ベジタリアンとヴィーガンは、似ているようで異なる食事法だ。

宗教上、口にできない食材がある人もいる

ベジタリアンやヴィーガンがしっかりと根付いている感があるアメリカでさえ、「ヴィーガンの人に対してベジタリアン食を振舞って問題になった」ということはよく聞く話である。

また、この違いが分からないのは危険であることは、報道としてもよく取り上げられる。それは乳製品や小麦を食べない人の中には、それを口にすることで命にかかわるような健康上の問題を引き起こす人も少なくないからだ。

食材制限がある人に対して、「面倒な食のこだわりがある人は、外食をしなければいい」という指摘もできるだろう。しかし、そういう指摘をすること自体が、ポリコレ的に正しくないと問題になったり、ネット上で炎上する原因になりかねない。

なぜなら先にも述べたように、「口にする食材を選ぶ必要がある人」の背景には、食べ物の好き嫌いではなく、宗教上や健康上の理由があることが多く、それを否定することは「社会的に正しくないことのひとつ」(=ポリコレ的に正しくない)と捉えられるからだ。

例えば、宗教上の理由で肉を食べない人のことを偏食と言ってしまうと、その人が信仰する宗教自体を攻撃していると捉える人もいる。実際に欧米ではそういう問題が起こっており、それゆえにポリコレを非常に気にする社会状況が生まれた。「好き嫌いなく何でも食べよう」という姿勢は、それができる人にとっては素晴らしいことだが、人によっては、それは「できかねる」ことでもあるのだ。

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