外国人が戦慄した一流料理店の「無知と勘違い」

ベジタリアンとヴィーガンは何が違う?

このウエイターが「ポリコレ的にも問題あり」と思った点はいくつかあったが、なかでも問題だったのは店側が「○○○もダメなんですか?」と、あたかも出された料理を食べられないことは「顧客側の問題である」というような態度を取ったことだろう。

食べ物は健康上の問題に結びつくことから、嗜好も含めて、口にできるもの、できないもののことで相手を責めるような言い回しはすべきではないというのがポリコレ的な考え方だからだ。

「食のガイドライン」を作る必要性

このレストランが特殊だったと願いたいが、この話を知り合いの和食店経営者にしたところ、「正直、いろいろな店で同じ問題は起こりうるかもしれない」と言われ、「細かなところまで理解できていないから、オリンピックで外国客が増える前にマニュアル化してほしい」と頼まれてしまった。実はこの和食店の経営者も「ベジタリアンには味噌汁にカツオだしが使えないことを知って、ハっとしたところだった」と話していた。

食の問題とポリコレが絡むと複雑で、対応は容易に思えないかもしれない。が、たとえばアメリカでは、アメリカ合衆国農務省(USDA)が、各州の教育省に対して「特別食の取り扱い方」という教育を行っており、乳製品の取り扱い方、宗教食の在り方などの基本的なガイドラインを各学区や学校に指導している。

そのため、アレルギーだけでなく、宗教上の理由で特定の食材が食べられないことへの対応は可能な限り用意されており、対応が出来ない場合は、対応できない理由や対応可能な範囲について明確な説明が用意されている。そのおかげで、人種の多様化に伴って食の多様化を迫られている社会でも、大きな問題が起こることは少ない。

アメリカ以外にも手本になる例はあるだろうが、アメリカのように政府が主体となって「グローバルな特定食への対応」を推進していることの利点は大きいだろう。オリンピック開催まであと1年半弱。食に関する大混乱を招かないような対応が必要になる中、食のガイドラインは日本でも取り入れられることのひとつかもしれない。

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