60歳以上の「再就職」が困難を極める根本原因 ブランク期間が長くなればなるほど高難易度
実際に転職活動をしたことがある人ならお気づきかと思うが、現状、シニアの求人は非常に少ない。日々の仕事に追われ、なかなか先のことまで気が回らないとは思うが、まずはこの「定年前後の真実」に、一刻も早く気づいてほしいと思う。
特に部長、本部長、役員などのポジションにいる人は、仮に社内での居場所がなくなったとしても、社外ならそれなりの処遇でそこそこの仕事があると思われるかもしれない。
しかし、そもそも、そのようなポストでの求人に巡り合うことは難しいのだ。仮にあったとしても、定年前と同様の待遇は望めないと思ったほうがいいだろう。
定年後、ゆっくり仕事探しをすればよい、と思っている人もいるかもしれない。そして再就職先がまだ決まっていないにもかかわらず、退職金や失業保険があるから大丈夫だろうと考え、再雇用を希望しないまま定年を迎える。そうこうするうち、半年が過ぎ、1年が過ぎていく。
しかし、仕事をしていないブランクが長くなればなるほど、仕事探しでは不利になる。仕事から1年、2年と離れているうちに、仕事の勘や情報は古びていくものだからだ。
「60歳定年制」の功罪
最近の求人のキーワードは一にも二にも「即戦力」である。昔のように「当社は人間本位。そのうち活躍してくれればいい」などと悠長に構えている経営者は1人もいない。ブランクが長いというだけで敬遠されてしまう理由はそこにある。
退職した会社にも残れず、自分のキャリアを活かせる再就職もできない――このような八方塞がりに陥らないためは、「定年前後」の過ごし方がカギを握っているのだ。
それにしても、なぜこれほど定年前後の人向けの求人が少ないのだろうか。
私は、それには「60歳定年制」が関係していると考えている。
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