60歳以上の「再就職」が困難を極める根本原因 ブランク期間が長くなればなるほど高難易度
では、どうすればいいのか。最も賢明な再就職先の見つけ方は、第1に、できるだけ早いうちから情報収集を始めることである。第2に、見つかるまで淡々と探し続けることである。第3に、これを日々の日課、いわば新しい習慣にしてしまうことだ。
まずは行動だ。じっくり時間をかけて受け入れてくれそうな会社を探してみよう。そうすれば、現実の厳しさがよくわかるし、真剣に取り組む覚悟もできる。
大事なポイントは「自分で探す」ということ。そのほうが本気度が相手に伝わる。もちろん人材紹介会社に登録していただくのもいいが、少しでもブランクを短くするためにも、自分自身で積極的に動くことをおすすめしたい。自ら動くことで、仕事に出合うチャンスは確実に増えるはずだ。
しかし、あせるのはよくない。「会社探しが趣味だ」というくらいの軽い気持ちで、気長に取り組むほうがいい。そのほうが楽しめるし、気も滅入らない。今まで知らなかった業界や仕事を知ることになるから、自らの見聞を広めることもできるだろう。そうしているうちに、働き先もきっと見つかるはずだ。
理想は「定年前」に動きだすこと
理想をいえば、定年になる前に数社程度、再就職の可能性のある会社に当たりをつけておけば安心だ。運よく再就職先が見つかって、先方が早めに来てほしいという場合は、給料は下がるとしても思い切って飛び込んだほうがいい。
中高年に来てほしいという会社は、増えてはいてもそうはない。元いた職場でくすぶって過ごすよりもいい仕事ができるだろうし、中高年でも歓迎という会社は中小企業で実質的に定年がない場合が多い。結局はそのほうが生涯収入も増える可能性が高いのだ。
もし、再就職先が1件も見つからないままに定年を迎えそうであれば、とりあえず再雇用を選択しておくべきだ。とにかく、定年後であっても失業状態が長期化することだけは避けたほうがいい。
もっとも、シニアの求人が少ないというのは、デスクワーカーの場合である。体力を使う仕事であれば、シルバー人材センターや運送会社のドライバー、建設現場のほか、地方に行けば農業など、いくらでもある。体力に自信があれば、こうした仕事を選ぶのもいいだろう。
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