暴走する野生の著者を優秀な編集部が手綱をつけて導く
いざ本を作る段階でも、東洋経済の敏腕編集者は四方八方に書きたい分野がたくさんある私の暴走を食い止め、専門性が最も発揮される分野に内容を誘導してくれた。
実は私は国際政治についても書きたかったし、80カ国の友人にそれぞれお国事情や仕事からの教訓をインタビューした国際的なコンテンツも入れ込みたかったし、たとえばユーロディズニー特集などの人気の高かったコラムも入れ込みたかったが、これらはすべてバッサリと削除され、私のグローバルキャリアでの教訓周辺に特化された。
またグローバルキャリア論について語るときも、本の構成の仕方として「超エリートにしか通用しない話ではなく、一般の誰が読んでも参考になる話を」とか「一流のトップエリートに学ぶだけでなく、二流のエリートにも学ぶところがあるという構成にしましょう」とか「仕事の話だけでなくプライベートからも学ぶことがあるという展開にしましょう」とか、今の出版マーケットで読者の方々が財布を開いてでも満足してくれるポイントを、敏腕編集者である中里氏が、執筆段階の初期からいろいろとアドバイスしてくれたのだ。
本作りとは重ね重ね、専門知識を併せ持つ優秀な編集者とのチームワークであり、その間の信頼関係に依存しているところが大きいのである。私は編集者の中里氏に全幅の信頼を寄せており、その助言の多くが大変有益であり、この場を借りて再度感謝の気持ちを伝えさせていただきたい。
本のページ数は、16の倍数がよいって本当?
また本の長さ、ページ数に関してもいろいろと驚きの発見があった。私が本に盛り込みたい内容をすべて入れると、計1000ページくらいになったのだが、300ページを超えると読み手も戦意喪失するとのことで、プライベートの話はエリートの恋愛・結婚・離婚ネタだけにとどめることで、なんとか288ページに抑えることができた。
なお「なんでまた288ページやねん」という話だが、ここだけの話、本のページ数は16の倍数でできていることが多いって、ご存じでしたか?これは紙のコストの関係で16の倍数がよいとされているらしいのである。
この「1冊にまとめてみた」も当初は208ページ(16の倍数)で1300円のコンパクトな読み物にするはずが、私がどうしても付け加えたい部分が多くて288ページもの超大作になってしまった。にもかかわらず定価は変わらず1300円にしていただいたので、親愛なる読者の皆様におかれましては、288マイナス208=80ページ分は無料サービスで拾ったものだと思って、得した気分でお読みいただければ幸いである。
内容の濃さとページ数の多さに対し、かなりお求めやすい値段に仕上がっていると編集部一同自負しており、多くの著名な書評でも大変好意的に取り上げていただいていることに、感謝申し上げたい。
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