中国No1大学、北京大生たちのシューカツ 中国エリート学生座談会(下)

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 日本にとって近くて遠い国、中国――。日本人は、中国や中国人について語るとき、つい画一的なイメージを持ってしまう。しかし、中国人は極めて多様だ。とくに若い世代と古い世代には、価値観に大きな隔たりがある。では、中国人の新世代エリートたちは、何を考え、どんな価値観をもっているのか。現地でのインタビューや鼎談などを通じて、キャリアから政治から恋愛まで今時の中国人の本音を探る。
 第3回目となる今回の学生座談会では、中国の最高学府である北京大学の文系学生たちに、彼らの就職活動と今後の働き方について聞いた。

 

※ 過去の対談

その1:就職率は3,4割。中国の就活は大変です

その2:中国文系エリートが語る、就活のポイント

100社応募なんて多すぎる

――まずは自己紹介からお願いします。

劉晨:劉晨です。東北地方出身です。北京大学の院生で金融の勉強をしています。就職先は外資銀行で、研究職に配属されます。

陳慧芳:私は陳慧芳といいます。天津出身。劉晨の同級生で、就職先は中国の国資がベースの投資会社です。戦略研究部で業界研究とコンサルティング業務を担当します。

曹英娜:私は曹英娜といいます。実家は北京で、北京大学国際関係学院の学部生です。外資の食品会社に幹部候補枠で就職しました。

呉雪峰:呉雪峰といいます。河北省出身。北京大学の学部生で、会計を学んでいます。就職先は外資のコンサルティング会社です。

孫凱:孫凱です。僕は広東出身で、北京大学政府管理学院の学部生です。ダブルディグリーで金融関係を学んでいて、就職先は国資のPEです。

――みなさんのうち3人は学部生で、2人が院生ですね。まずはみなさんの就職活動についてお伺いしたいと思うのですが、上海で話を聞いたときには、みな100社くらい応募していまして……。

全員:100社?!

――多いですか?

劉晨:めちゃくちゃ多いですよ! 100社なんて、ネット応募じゃないかな。

呉雪峰:真剣に応募しようと思ったら、ひとつの履歴書を書くのにもすごく時間かかります。

――みなさんは、ネット応募はしなかったのですか?

陳慧芳:僕は各社に合わせて、個別に履歴書を書きました。応募は20社くらいだったと思います。

曹英娜:私もネット応募はしなかったわ。そんなにたくさん応募したら、すべての時間をそれに費やすことになってしまうでしょう。私は本当に行きたい会社と滑り止めの会社を絞って、やはり20社くらい応募しました。

孫凱:僕も応募は10社から20社くらいでしたね。ネット応募はあまりあてにならないと思うな。100社出しても、返事が来るのは5~6社とか、そんなものではないでしょうか。

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