――ではどうやって希望を絞っていきましたか?
劉晨:僕は学部のときから金融業界でインターンをして、発行市場のIBDやコンサル、研究の仕事をしたのですが、そのうち研究の仕事が自分にいちばん合っていると思いました。
研究職はつねに新しい知識を学習していくものですから、学びのチャンスも大きいでしょう。「learning curve(学習曲線)」は険しいほうがいいと思って、今の仕事を選びました。
陳慧芳:私も研究職ですが、私の場合はもともと接客の仕事があまり好きではないのです。それに劉晨と同じで、研究職なら仕事の中で学べることが多いと考えました。特に戦略研究を希望したのは、企業の具体的な状況や産業チェーンの上から下まで、業界全体の基本的な状況をみることができるからです。これは将来的な転職でも有利になるでしょう。
曹英娜:私は2人とはだいぶ異なりますね。大学4年間は遊んで過ごしてしまって、自分のキャリアパスを考えていませんでした。それでまず、国有銀行と四大会計事務所、コンサル会社などに履歴書を送りました。最終的に決めた外資の食品会社は、最初は特に行きたいと思っていませんでした。
でも、この会社にはたくさんの部署があり、初めの3年間は数カ月ごとにいろいろな部署を体験するということだったので、それならいろいろ試す間に、自分のやりたいことが見つかるかなと思ったのです。
それにこの会社は、1次面接の後、最終面接の前に3日間の研修があるのです。その間に工場見学をしたりオリエンテーションをしたりして、会社についての理解を深めます。それが面白そうだなと思って参加したら、すごく楽しかったんですよ。とても気さくで明るい企業文化で、それに引かれてここに決めました。
国営企業はつまらないと思ったワケ
――曹英娜さんは管理職候補の枠での採用ですよね。ということは、ゆくゆくは会社の管理層を目指すということでは?
曹英娜:管理職候補といっても育成プロジェクトの一種で、本当に管理職まで上がれるのはごく一部です。外資ではこのところ、こういう採用の仕方がはやっているのです。まず管理職候補として数十人の新卒生を採用するのです。
それで最初の2~3年間はいろいろな部署を回って会社の仕組みを理解します。その後、社内試験に合格すれば、さらにその上のステップに進めますが、私の会社では上に上がれるのは20%だけという話でした。
――合格しなかったら ?
曹英娜:もう1年だけチャンスをもらうことができますが、転職するとかMBAに行くなどで、辞める人も多いようです。
呉雪峰:私も最初はかなり漠然としていました。大学に上がったばかりの頃は、大した理想もなく、女の子なので国営企業の楽な仕事に就きたいなって思っていました。
――でも就職先は、忙しいことで有名な外資コンサル会社ですよね。だいぶ方向転換しました?
呉雪峰:当時は何も考えてなかったんですね。でも学部3年に上がる前の夏休みにインターンをしたとき、国営企業に出向することがあったのです。そこでは社員は、毎朝出勤するとネットサーフィンして、お昼を食べたら昼寝をしていました。午後もだいたいおしゃべりして過ごし、時間がきたら帰宅します。これではあまりにつまらないと思いました。
それにこのとき、国営企業の担当者に言われたのです。「若いうちから楽な仕事をしていたら、闘志も理想もすり減ってなくなっちゃうよ」と。それで考えが変わりました。
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