現在、発達障害のある子どもを支援する施設で働いている琢磨さん(仮名)。臨床心理士の資格を持ち、以前も資格を生かせるクリニックで勤務していた。琢磨さんは九州出身だが、父親が転勤族で母は専業主婦だったため、幼い頃は全国各地を転々とする日々だった。
転校の多い転勤族の子どもの中には「どうせすぐ転校するから」と学校の友達と深く付き合わず卑屈な性格になってしまうケースもある。琢磨さんの兄はそのタイプだったようだが、彼自身はその都度うまく人間関係を築いていたという。
「小学生の頃は必要なときだけお小遣いをもらっていましたが、月1000円程度だったと思います。使い道も駄菓子を買う程度でした」
この取材を続けていると、小学生時代はお小遣いの使い道があまりなかったという人ばかりだ。筆者自身も小学校高学年までは確かに駄菓子を買う程度だった。また、筆者が小学生の頃は、「テストで100点を取ったらゲームを買ってもらえる」「家の手伝いをしたら500円もらえる」、といった何かと交換条件の家庭が多かった。
離婚家庭の子どもの性格の変化に興味を持つ
転勤族家庭の琢磨さんだったが、中学時代以降は運よく転校もなく、東京都内の公立校でサッカー部に入部。月5000円~1万円のお小遣いをもらい、部活の遠征費用に充てたり、漫画やCD、ゲームを買ったりした。
「高校は推薦で東京都内の自宅に近い私立高に入学しました。大学までエスカレーターの学校で、兄貴もその高校に通っていたのでどんな学校か知っていましたし。サッカー部に入部しましたが、練習がキツくて1週間でやめちゃいました。そして、コンビニやサンドイッチマンのアルバイトをして、月6万円くらい稼いで原宿に遊びに行ったり、あとパンクにハマったので、ライブハウスに入り浸っていました」
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