30歳臨床心理士の彼が味わう金と恋愛のリアル 結婚願望なし、貯金は少ないが執着はしない

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「学生時代はまったくお金の管理ができず散財しまくっていたのですが、今は奨学金400万円を無事完済しました。今の貯金は50万円しかありませんが、欲しいものとかあまりないんですよね。車にも興味がないし。お金は十分にもらえているけど、今、仕事への充実感もそれほどなく、『すげぇ楽しい!』とか思わないんですよね。もっとお金をもらえればそりゃうれしいけど、そこまでの目標がないというか、お金をもらうためにこうしたい!という気持ちがなくてマイペースというか。

今は子ども向けのアプローチをしていますが、どちらかというと僕は大人向けのカウンセリングをやりたいんです。だから、どこかいい職場があれば転職したいとつねに考えてはいます。

あと、臨床心理士って経験年数が条件に入ってくるところが多いんです。こないだ、年収700万円で企業のストレスマネジメントをやっているクリニックに目がいったのですが、経験年数8年以上が条件でした。仕事内容としてはやれることばかりだったのですが、経験年数で弾かれちゃいました」

結婚したくないけど子どもだけ欲しい

あまり欲のない印象を受ける琢磨さんに、結婚願望はあるのか聞いてみた。

「20代前半は結婚しようと決めている人がいましたが、僕が大学院に行っているのをすごく嫌がって『学生をやめて働け』と言われたんです。それで、『無理です』と。今、彼女はいませんし、とくに結婚願望はありません。歪んでいると言われそうですが、結婚はしたくないけど子どもだけは欲しいです。きっと、結婚して奥さんがいたら教育に関して意見がぶつかると思うんです。

仕事柄、心理的な面で捉えてしまい『こういうことは子どものために言わないほうがいい』といったようなことを奥さんに言ってしまったらと考えると、子どもだけ欲しい。自分も親にされて嫌だったことがあるので、それをしたくない。血がつながってたらうれしいですけど、養子でもかまいません。でも養子の審査ってすごく厳しいんですよね……」

以前取材したフリーライターの恭平さんも、「養子でもいいから子どもが欲しい」と言っていた。筆者自身は自分の性格上、育児ノイローゼになりそうな予感がしているのでそこまで渇望はしていないが、子どもがいたらいたで楽しそうだなとは思う。そして、現実的に考えると子育てにはお金がかかる。

筆者や周りの友人たちはリーマンショックによる不況で、就活に苦労した人が多かったが、琢磨さんの場合、資格のおかげでスルッと就職できている。この世代の全員が就活に苦労したわけではないのと、やはり仕事に直接つながる資格は強いのだとうらやましくも感じた。

姫野 桂 フリーライター

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ひめの けい / Kei Himeno

1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをしつつヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れる。現在は週刊誌やWebなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナ。

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