Airbnbは、なぜ旅人に受け入れられたのか 「おもてなしのプロ」が語る新しい旅の価値
Airbnbは世界中に空き部屋などを持つ宿泊場所の提供者(ホスト)と宿泊場所を探している旅行者(ゲスト)をつなぐ、インターネット上のプラットフォーム。目的地の都市名を入力すると、ゲストを迎え入れたいホストの物件写真と顔写真がずらりと並び、旅への期待をかき立てられる。物件は一軒家やアパートの空き部屋が多いが、城、ツリーハウス、ボート、島など突拍子もないものを見つける楽しみもある。
Airbnbの設立は2008年8月。ジョー・ゲビア、ネイサン・ブレーカージク、ブライアン・チェスキー現CEOの3氏がサンフランシスコで創業した。以来、利用者数の伸びは加速。現在、192カ国に55万件以上の登録物件があり、2013年にはこれまでに世界で600万泊以上(前年の倍以上)の利用があった。
もともとマッチングのテクノロジーとデザインに強い会社として始動したが、2013年9月、ブティックホテルの開発で実績豊富なチップ・コンリー氏をグローバルホスピタリティ担当責任者に据えて、ホストによる「おもてなし」の質向上に力を入れ出した。日本での展開も加速しているが、まだ認知度は高くない。12月中旬、来日して東京都内のホスト宅に宿泊しているコンリー氏に、Airbnbのサービスと「おもてなし」について聞いた。
――Airbnbと普通のホテル宿泊との違いは。
宿を提供するホストとの交流によって、その土地ならでは、その人ならではの体験をできるのがAirbnb。私は、今回この部屋に泊まることで、ホストにお寺を見せてもらったり、ラーメン店に連れて行ってもらったりした。こういう体験はホテルに泊まっていたらできない。
そのため、ホストは自分の住んでいる地域をよく知ると同時に、ゲストの興味について理解していることが大切だ。私は建築物や自然が好きだが、そういうことを知っていたら、ホストはゲストの好みに合わせた場所を案内できる。
おもてなし基準を定めている
――Airbnbのおもてなし担当として、どういう役割を担っているのか。
私はホストの皆さんがよりよいホストになるための手伝いをしている。そのために「おもてなし基準」を定めたり、ホストにおもてなし講義を行ったり、インターネットで学ぶeラーニング講座を提供したりしている。経験豊富なホストが経験の浅いホストに教える機会も設けている。
私が教えるおもてなしというのは、たとえば、ゲストからの宿泊の問い合わせには迅速に、かつ親切な文面で対応する、というようなこと。事前のやり取りで、ゲストの希望を探る質問をすることも大事だ。出張でAirbnbを使っている人と、家族旅行で使う人とはニーズが異なっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら